香害被害者を「障害者差別解消法」で守る自治体も出てきた写真はイメージです Photo:PIXTA

 香りつき商品の成分で化学物質過敏症などを発症する「香害」が深刻になるとともに、この「新しい公害」について認知が進み、これまでの対策より一歩、進んだ実効ある取り組みを始める自治体が出てきた。

今年の民間放送連盟賞が
「香害被害者」を追った番組に

 今年の日本民間放送連盟賞が9月20日に発表され、「放送と公共性」部門の最優秀賞に、テレビ金沢(石川県金沢市)の「化学物質過敏症~理解されない病に苦しむ患者たちを伝える6年間の放送活動~」が選ばれた。

 長い時間をかけた、丹念な密着取材から生まれた、さりげない描写の積み重ね。その映像が、患者の日常の苦労・息遣い・心の内までも生々しく伝える。活字では伝えきれない迫力があり、声高な主張(批判)は抑え、事実の掘り起こしに徹していることが説得力を増している。