「社会保障の未来」はどうなるのか、その明暗を考える映画写真はイメージです Photo:PIXTA

古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。最終回となる第28回では、『スター・ウォーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などSF映画の描写を使いつつ、社会保障制度の将来像と、その明暗を考えます。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

スター・ウォーズにおける
医療の描写

 ICTやロボット、コンピューターなど先端技術は日進月歩で発展しています。私の主な関心領域である医療・介護の世界でも人工知能(AI)の活用などが論じられており、2018年度の制度改正では遠隔診療が初めて保険診療の対象になりました。

 さらに、介護の領域でも現場の省力化を図る介護ロボットの必要性が指摘されているほか、介護保険サービスを利用する際の前提となるケアプラン作成についても、AIの活用が模索されています。

 では、技術の発達は社会保障制度にどんな影響を与えるのでしょうか。野村総合研究所がイギリスのオックスフォード大学と共同で2015年12月に公表した試算によると、「日本の総労働人口の約49%がAIやロボットに代替可能」としつつも、AIやロボットに代替されない職業として内科医、外科医、歯科医、社会福祉施設介護職員などを挙げています。社会保障の現場を支える専門職は、AIに代替されにくいのかもしれません。