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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

「ギリシャ化」する世界、「日本化」が続く世界
バランスシート調整と世界に広がるポピュリズム
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]
【第64回】 2012年5月30日
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ポピュリズムと「ギリシャ化」

 5月18日、19日に米国で開催されたG8首脳会議では、焦点であった欧州債務危機への対応について、財政の健全化と経済成長の両立を追求する方針で一致した。財政緊縮一辺倒だった従来路線に対し、各国で世論の反発から政権与党が選挙で敗北し、政治的観点から路線変更を余儀なくされたと解釈される。

 今後の経済的な対応には、各国固有の「社会的・政治的」側面を考える必要が生じたことを意味する。すなわち、各国の「ポピュリズム」に配慮せざるをえない状況、「ギリシャ化」の蔓延である。

 ギリシャの世論調査では、依然、大半がユーロに残りたいとされるが、一方、緊縮財政には反対し、そうした動きをバックにしたポピュリズムと政治上の党利党略が生じる現象が、本論での「ギリシャ化」の定義である。

2011年の政権交代は
財政緊縮路線に向かった

 次の図表1は昨年2011年のPIIGS諸国で生じた政権交代を示すもので、2011年はPIIGS諸国で国債市場での不安に引導を渡されるかのように、市場主導で政権交代が生じた。

 その結果、市場へ対処すべく各国で財政の緊縮路線がとられた。多くの場合、新政権の経済政策を担うのは経済学者を中心とした実務テクノクラートであり、イタリアのモンティ首相はその典型例だった。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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