日本のエンジン技術を底上げ、産学連携研究の「実はスゴイ成果」写真はイメージです Photo:PIXTA

自動車メーカー9社などからなる
日本で初めての大規模産学プロジェクト

 内閣府がとりまとめを行うSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の中に、日本のエンジン技術を底上げするための革新的燃焼技術というテーマがある。日本の大学と自動車メーカーおよび部品メーカーが協力し、次世代エンジンのための基盤技術を確立しようというプロジェクトだ。2014年度にスタートし、今年3月末で5年間のプログラムを終了するが、その成果報告会が1月末に東京大学で行われた。

 一連のプログラムの中でとくに注目されている項目が、ガソリンエンジンの熱効率を50%まで高めるスーパーリーンバーンユニットの開発である。慶應義塾大学大学院理工学研究科の飯田訓正特任教授を研究責任者とするチームは、全国の27大学および自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)が協力し合うという、日本で初めての大規模産学プロジェクトである。燃費向上につながるガソリンエンジンの熱効率は「1970年代に30%、その後40年かけても40%に到達する程度だった」と研究チームは指摘している。