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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

日本の輸出激減は3月で止まっても、元には戻らない

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第18回】 2009年4月18日
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 2008年秋以来の日本経済の大変動は、輸出の急減によって引き起こされた。以下では、まずアメリカの経常収支の動向を概観し、つぎに日本の輸出の推移を見ることとしよう。

 アメリカの経常収支赤字は、07年には7003億ドルであった。08年には6811億ドルになった。つまり、年間の数字で見れば、減少はしているものの2.7%減っただけであり、あまり顕著な減少とは言えない。

 しかし、月別の数字で見ると、【図表1】に見るように、08年の11月から急激に減少しているのだ。減少はその後も続き、09年2月には260億ドルにまで減少した。この数字に365/28を乗じて年間の数字に換算すれば、約3385億ドルになる。これは、07年の48%にあたる。

【図表1】アメリカの経常収支の推移
アメリカの経常収支の推移

 07年以降の金融危機、経済危機の基本的な原因は、アメリカの経常収支赤字が持続不可能なレベルまで拡大したことにあった。そのためアメリカに対する資金流入が変調し、住宅価格バブルが崩壊して証券化商品の価値が低下した。他方では、アメリカの輸入減少が日本や中国からの輸出の減少をもたらし、両国の国内生産の急減をもたらしたのである。

 経常収支赤字が半減したことで、この激変過程にも出口が見えた。わずか4ヶ月の間に半減したのだから、きわめて急激な変化だった。この間に、アメリカの輸入は約3割ほど減少している(もちろん、経常収支がこのレベルで下げ止まるかどうかは、わからない。さらに減少する可能性は否定できない)。

日本の輸出は3月で下げ止まった?

 アメリカの経常収支赤字縮小とほぼ歩調を合わせて、日本の輸出も08年秋から急減した。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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