『週刊ダイヤモンド』3月23日号の第1特集「5G開戦」では、通信大手が新たなビジネスチャンスを求めて企業と連携する動きを追った。この中で、KDDIとドローン分野で提携するベンチャー企業であるテラドローンの徳重徹社長に、「5G時代のドローンビジネス」について聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)

――KDDIが6月から事業を始める「スマートドローン」で、テラドローンは提携関係にありますが、どんな協力をしているのでしょうか。

徳重社長とくしげ・とおる/1970年生まれ。九州工科大学卒。住友海上火災保険で商品企画、経営企画を経て退社後に米国サンダーバード経営大学院でMBAを取得。その後、シリコンバレーでベンチャー企業の投資や経営に深く関与するハンズオン支援を実施。2010年に電動(EV)バイクのベンチャー企業、テラモーターズを設立し、ベトナム、インド、バングラデシュに現地法人を設立して事業を拡大。16年2月に「空のEV」としてドローン事業に新規参入してテラドローンを設立、現職

 ドローンの運行管理システムを提供しています。KDDIさんが、「広域監視」「鉄塔点検」「風力点検」「測量解析」「精密農業」というコンセプトでドローンのサービスを手掛けるということなので、ドローンのビジネスを知っている私たちがお手伝いさせてもらっているということです。

 われわれは、2016年からドローンビジネスに参入していますが、世界中の事業できちんとマネタイズができている数少ない企業です。国内でも5つの営業拠点を持って、ドローンを使った土木測量のサービスを建設会社向けに提供していますが、KDDIさんが構想するドローン事業もバックアップしていきます。

――広域監視の分野でテラドローンは、KDDI、セコムとの連携で、スタジアム警備の実証実験を進めていますが、5Gのビジネスチャンスをどうみますか。

 テクノロジーとしては、ドローンで撮影する画像が5Gで高精細化すれば、何千人という観客の顔認証ができるようになります。こうしたノウハウが積み上がれば、盗難の多い海外でも応用できるかもしれません。