経営に参画した会社が2ヵ月連続上場

 ここで少し、私の自己紹介をさせてください。

 私が何の仕事のプロかと言えば、「新規事業のプロ」、と言えるかと思います。

 私の社会人としての人生は、1992年、機械工業系の専門商社、株式会社ミスミ(現ミスミグループ本社)に入社し、新市場開発室に配属されたことで始まりました。

 その後、2002年にミスミ創業オーナーの田口弘さんが設立した新規事業の専門会社、株式会社エムアウトに転職。結果、ミスミ時代と合わせ、2社で20年、田口さんのもとで新規事業だけに邁進する社会人人生を送ることができました。

 そして2010年、株式会社守屋実事務所を設立し独立。と同時に、ラクスル株式会社とケアプロ株式会社の創業にも参画しました。

 こうして長年、新規事業に特化してやってきたことが実を結び始めたのが2018年です。4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックス株式会社、5月に印刷や物流、広告のシェアリングプラットホームのラクスル株式会社の2社を、2ヵ月連続で上場させることができました。

 2019年、2020年にも、上場を予定するまでに成長した会社があり、少しは「新規事業のプロ」に近づけたのではないかと自負しています。

 「新しい一歩を踏み出す」「仕事のプロを志す」と言っても、そもそも「やりたいことが分からない」「どの仕事で仕事のプロを目指せばいいのか分からない」という声もたびたび聞きます。その気持ちは、分かります。

 私も、大学を卒業してミスミに入社したばかりの頃は、「この仕事がやりたい!」という明確なものは特にありませんでした。

 もし、どうしても、「やりたいことが分からない」と言うのであれば、

 「好き」を仕事にしてみたらどうでしょうか?

 「好き」を見つけ、「好き」を仕事にできたら無敵です。

 幸い、今は、「好き」を仕事に結びつけるチャンスはいくらでも転がっています。

 たとえば、昨今、副業OKの会社が格段に増えています。ならば、ちょっと興味のあるジャンルに関連するバイトを週末だけしてみる、というのもありでしょう。

 もし何か得意なことがある人は、個人同士が自らの得意や仕事のスキルを教え合うCtoC向けサービスを活用してみるのもいいでしょう。

 あるいは、都内のコワーキングスペースは新しいところが続々オープンしていますから、そこに登録して様々な異業種の人たちと交流を深めるのもありだと思います。

 新しい一歩を踏み出す環境は、かつてないほど整っているのが今という時代です。

 あとは、やるか、やらないか。それだけです。

 あなたなりの「新しい一歩」を踏み出してみませんか?

守屋 実(もりや・みのる)
1969年生まれ。明治学院大学卒。1992年にミスミ(現ミスミグループ本社)に入社後、新市場開発室で新規事業の開発に従事。メディカル、フード、オフィスの3分野への参入を提案後、自らは、メディカル事業の立上げに従事。2002年に新規事業の専門会社、エムアウトをミスミ創業オーナーの田口弘氏とともに創業、複数の事業の立上げおよび売却を実施。2010年に守屋実事務所を設立。設立前および設立間もないベンチャーを主な対象に、新規事業創出の専門家として活動。自ら投資を実行、役員に就任、事業責任を負うスタイルを基本とする。2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルを2社連続で上場に導く。