顔を見ただけで、その人の財政リスクの大きさが分かるものだろうか。中国最大の保険会社で中国有数の金融コングロマリットである中国平安保険は、ある程度は分かると考えている。同社では金融商品を販売する際、見込み客のリスク評価の一環として顔認証技術を使用している。身元を確認したり、表情から信用度を読み取ったりするためで、日常的に顧客や自社の保険外交員の顔をスキャンしている。同社の消費者金融部門では2016年から独自の技術を使用し、融資に申し込んだ個人客を審査している。分析要素の1つは、「微表情」と呼ばれる瞬時のごくわずかな、ほぼ無意識の顔の動きだ。中国ではこの取り組みをはじめ、顔認証技術が日常生活の一部となっている。中国当局は規制やプライバシーを気にすることなく、街角や地下鉄の駅、空港、国境でそれを利用している。