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「21世紀の社会運動」を裏で動かす
パーパス・ドットコムの正体

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第203回】 2012年7月5日
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 「ムーブメント」ということばを聞いて、何を感じられるだろうか。

 ムーブメント、つまり社会運動というのは、ほんの少し前までは古くさいことばのように捉えられていたはずだ。日本では、ひょっとすると1970年の安保闘争以来、全国規模のムーブメントはなかったのではないかとも思われる。

 ところが、ここ最近は世界中でムーブメントが起きている。中東の国々で次々と起こっている民衆による「アラブの春」、ウォールストリートの強欲さに反旗を翻した「オキュパイ」運動、プーチンの大統領再就任に対する抵抗を行動で示したロシア人たちのデモ。どれも最近の社会変動や経済不安、何よりも変わりつつある世界観のようなものを反映したものと言っていいだろう。

 そうした21世紀型のムーブメントをサポートするサイトが、パーパス・ドットコムである。

ゲイの権利運動、ガン撲滅運動もサポート
消費者や企業を動かす巧みな手法

 パーパスは、テクノロジーの力を用いて社会的なムーブメントを起こすことを手助けする組織である。社会的といっても、パーパスが真に目的としているのは「進歩的な消費者運動」や企業活動のこと。つまり、産業界に向けて働きかけるような、ビジネスも盛り込んだ社会の動きなのである。パーパスはそれを営利組織として行っており、その点が実にユニークと言える。

 パーパスはそのサービスを2つ挙げている。

 ひとつは、独自の社会的消費者運動を起こすこと。他の組織との提携もあるが、パーパスが開発した「ムーブメント起業」モデルを用いて、社会的な変革が必要だが、そこに人々が関わる土台がまだないところへビジネスを興す。ビジネスは、いわゆる社会ビジネスと呼ばれる、社会貢献と営利目的が合致するようなモデルだ。

 もうひとつは、企業が社会変革に関わろうとする際に、オンラインやオフラインのコンサルタントとして入り、「ムーブメント・ブランド」や活動を確立するために動くことである。企業が、現在言われる社会責任(CSR)を超えて、社会変革の波に乗っていこうとする時に、その手助けをしようというわけだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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