「グローバル化で日本企業は生き残れるか」 
猪子寿之・チームラボ社長 vs. 人気ブロガー・藤沢数希

猪子 そもそも欧米は未来で勝つほうに国が環境を整える意思がある。スイスが違法ダウンロードを法的に認めたけど、政府発表のコメントがすごい。「新技術をアドバンテージとして生かせる人が勝者となり、その進歩に取り残されて、旧来のビジネスモデルに従い続ける人は敗者となる」って。これ、消費者行動の変化に適応しなさい、さもなければ死になさいって国が言ってるわけ。

藤沢 スイスは、今でも世界的な企業がたくさんあって、すごい国だよね。でも僕は、日本企業がアップルやグーグルみたいになるのは無理だと諦めている。ソフトウエアの会社って、一握りの天才がつくっていくから、パナソニックとかソニーが生まれ変われる類いの話ではない。もはや文化からつくり替えないと(笑)。

 でも、小粒だけどクリエイティブな日本人はたくさんいるから、プラットフォームは米国の企業に握られても、それを使う日本の個人や小さい会社が頑張ればいい。

猪子 世界でプラットフォーム取れるサービス、日本にもあるよ! 初音ミク(ネット上のバーチャルアイドル歌手)も生まれてるし。これは米国では生まれない(笑)。

藤沢 僕は、個人が初音ミクでいい曲を作ってiTunesで売ればいいと思ってる。個人でやる分には自由だし。日本はプラットフォームでは負けたけど、電子部品も外食産業も強いし、全部勝たなくてもいいよ。

猪子 でも、50年先を考えたら日本経済も弱くなって、面白くなくなるんじゃない。

藤沢 確かに、これからも日本からソフトウエアのすごい企業が出てこないと日本経済はジリ貧かもしれない。ただ経済成長については、僕は政府が何かやるべきだとは思っていない。個人や民間が自由にやればいい。成長戦略がないのが一番の成長戦略なんだよ。

(本誌の対談より抜粋)