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オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略
【第1回】 2012年7月26日
著者・コラム紹介
大島 誠 [日本オラクル エンタープライズソリューション統括本部 インダストリーソリューション本部 担当ディレクター]

オムニチャネル時代到来

無数の顧客接点を創造・統合し真の価値を提案せよ

スマートフォンなど携帯端末の普及とSNS利用の広がりは、小売業の顧客接点の持ち方を大きく変えている。デジタル分野、リアル分野をシームレスにつないで真に顧客に求められる商品を提供する「オムニチャネル」の時代が本格化しつつあるなか、これからの企業に求められるマーケティングの手法とは何か。オムニチャネル・リテイリングの先駆者が最新事例とともに解説する。

顧客情報を「なにもかも」
統合する「オムニチャネル」

「オムニチャネル(Omni Channel)」という言葉がにわかに広がりを持ってきた。

 企業が消費者といかに多くの接点を持つかというテーマに対し、「マルチチャネル」「クロスチャネル」が叫ばれて10年以上が経過したが、生活者のスタイルが変わるなか、小売業もオムニチャネルに対応しなければならなくなってきた。

 実は「オムニチャネル」という言葉自体は、そんなに新しいものではなく、数年前から一部のコンサルティングファーム等で語られている。オムニチャネルの「オムニ(OMNI)」とは、一般的には「すべて」という意味であるが、筆者は「なにもかも」という言葉をあてはめることが多い。

 最近では、「オムニチャネル」という言葉自体は、従来からいわれてきた「マルチチャネル」や「クロスチャネル」と対比させて使用されるようになったが、にわかに脚光を浴びてきたのは、2011年1月、全米小売業協会(National Retail Federation, 略称NRF)の標準化団体であるARTS(The Association for Retail Technology Standards )が、「Mobile Retailing Blueprint V2.0」を発表してからだ。

 これらは、モバイル・コマース(スマートフォン、タブレットPC等の携帯端末を利用したコマース)を実践する上での、さまざまな領域での標準化を目指したものであり、携帯端末を利用した実店舗とネット(Eコマース)間での情報共有のあり方や、クレジットによる支払い、クーポン等の活用法を解説したものだ。

 このブループリント(青写真)では、携帯端末の拡大がオムニチャネルという新たな顧客接点空間を創造し、その接点の拡大に寄与するとしている。事実、スマ―トフォンの台頭だけでなく、SNSの広がりが、小売業と顧客の接点の関係を複雑化させているのである。

 筆者はオムニチャネルについて、いち早く2年以上前から実際の事例を研究してきた。それゆえ、日本でのオムニチャネル・リテイリングの専門家第1号であると自負している。

 まず、オムニチャネルの概念を次のページで解説したい。

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大島 誠 [日本オラクル エンタープライズソリューション統括本部 インダストリーソリューション本部 担当ディレクター]

外資系IT企業にて小売業・流通業のソリューション・スペシャリストとして、多くの小売業の業種・業態のシステム導入、業務改革を支援。コンサルティング会社を設立して独立後、主にマーチャンダイジング(MD)の最適化に力を入れるとともに、日本のみならずグローバルの小売業の動向や、MDシステム等の小売業・流通業のIT動向を研究。最新のITコンセプトや事例には自らの経験を通じて真の可能性を追求し支持を集めている。日本オラクル入社後はオラクルの小売業担当スペシャリストとして、ITベンダーの立場で、小売業・流通業のIT革新支援に従事。

 


オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略

ウェブサイトやスマートフォンなどのデジタル分野と実店舗などのリアル分野、双方に無数の顧客接点を設け、これらを融合して究極の顧客満足を実現する「オムニチャネル」時代が間もなくやって来る。顧客一人ひとりの価値観を具現化する購買は買い手の感動となり、売り手へのロイヤリティ向上にもつながっていく。真のカスタマーエクスペリエンスとは何か。オムニチャネルマーケティングの第一人者である筆者が、その近未来像を描く。

「オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略」

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