Digital Experience! TOP>DIAMOND online>マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー
マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー
【第16回】 2012年7月2日
著者・コラム紹介
藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

受け手の心に響くストーリーでしか
消費者とのエンゲージメントは築けない。

マーケッターとして、カンヌで再認識したマーケティングの本質

「NIKE+ FuelBand」が示唆する
クリエイティブの新基軸

 6月17日~23日、今年もフランスのカンヌで「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(Cannes Lions International Festival of Creativity)が行われ、私も多くのマーケティング関係者と共に参加してきました。

 以前は国際“広告祭”だったこのフェスティバルが、昨年から国際“クリエイティビティ・フェスティバル”に名前が変わったことに象徴されているように、“広告”という概念が大きく変わってきています。そして、この大きなイノベーションの源流にはデジタルテクノロジーの進化があります。

 それを証明するように、期間中はさまざまなセミナーやフォーラムが開催されましたが、多くのセッションで「デジタルテクノロジーの登場が、クリエイティブにどのような影響を与えるのか」に関するテーマが取り上げられました。

 多くの審査部門があるなか、統合マーケティング全盛のこの時代に最も注目されている「TITANIUM & INTEGRATED 部門」でグランプリを獲ったのが「NIKE+ FuelBand」です。

 「NIKE+ FuelBand」では、新しい活動量の単位である“NikeFuel”を使って、1日の全運動のデータを記録することができます。そのデータは腕に着けるバンドの上にデジタル数値で表示されるほか、数値の下に並んだ1列のLEDが、最初は赤、活動を重ねるほどに黄色、そして緑へと変化し増えていきます。NikeFuelの目標値として設定される緑を目指すことがユーザーのモチベーションにつながっていくのです。

 この独自の活動量を表す単位であるNikeFuelは、NIKE+ FuelBandを装着したモニターたちのデバイスに内蔵される3軸の加速度センサーが計測したデータと、酸素消費量との相関性をもとに、ナイキが独自に作成したアルゴリズムによって数値化されます。

 NikeFuelの数値は世界中のアスリートや仲間などとも共有できるため、誰もが世界の一流アスリートと同日のNikeFuelのポイントを競うことさえも可能になります。

1
nextpage
  • PR
  • PR
新着記事
MORE
BackNumber
MORE
ArticleRanking

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

 


マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー

インターネットなど双方向メディアの普及に伴い、従来の広告メッセージが届きにくい時代になったと言われます。どんな方法なら消費者とのコミュニケーションが成立するのか。「次世代IMC」を掲げる注目のマーケティング企業CEOがその極意を伝授します。

「マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー」

⇒バックナンバー一覧