今、日本では空前のサウナブームが起きています。
 芸能人や著名な経営者にも「サウナ好き」を公言する方が増え、また身近なビジネスパーソンで、精力的に仕事をこなすトップエリートと呼ばれる男女がこぞってサウナに通っています。なぜ、仕事ができる人は、サウナにハマるのでしょうか?
 サウナを初めて科学的エビデンスに基づいて解説した話題の書「医者が教えるサウナの教科書」(加藤容崇著)より、最新研究に基づいたサウナの脳と体に与える効果と、ビジネスのパフォーマンスを最大化する入り方を、抜粋して紹介していきます。

【サウナの科学】<br />サウナ室では<br />足を上げるほうが<br />いい理由Photo: Adobe Stock

 サウナ室にいる間は、どのような体勢がよいのでしょうか。階段状になっているところが多いため、イスに座るような形で段のところに腰を下ろし、そのまま下の段に足をつく。そういう体勢をとっている人が多いかもしれません。しかし、それはベストではありません。実は、よりパフォーマンスが上がりやすくなる座り方があります。

普通に座ると温まり方にムラが出る

 すでにお伝えしたように、サウナ室は高いところほど高温になります。そのため、イスに座ったような体勢の場合、頭の方の温度が高いのに対し、足先は比較的温度が低くなります。その結果、「体中が熱い」と感じていても、意外と足は温まっていないということがあります。足がしっかり温まっていないと、この後、水風呂に入る時に辛く感じてしまううえ、ととのいにくくなってしまいます。

 したがって、サウナ室では、できるだけ体の高低差をなくすのが正解。ムラなく全身を温めることが大切です。ベストは、横たわることですが、他の人の迷惑になりますし、万が一眠ってしまったら危険です。体の高低差をなくすために、足を高く上げるという方法もありますが、非常に体力を使いますし、見た目もよくないため、現実的ではありません。だから、私のおすすめはスペースがあれば、「あぐら」or「体育座り」です。

 余談になりますが、サウナの本場・フィンランドでは、気持ちが良すぎてサウナで眠ってしまい死亡するケースが多いそうです。対して、日本の場合は我慢し過ぎて倒れることが多いとか。国民性の違いを感じる話ですが、いずれにしても、無理は禁物です。