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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

内海 孚 元財務官インタビュー
「G20のブレトンウッズ代替は期待薄」

週刊ダイヤモンド編集部
2009年1月15日
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世界経済の混迷が深まる中、IMFやドル基軸通貨に代わる「ブレトンウッズⅡ」体制の構築を求める議論が欧州を中心に高まっている。一部には、昨年11月に開かれたG20を新体制の推進母体と見る声もある。だが、元財務官の内海孚氏は、現在のG20はブレトンウッズ体制の代替となりえないと言う。

内海 孚
内海 孚(うつみ まこと)
日本格付研究所社長・元財務官。東京大学法学部卒業後、旧大蔵省入省。国際金融局長などを経て1989年財務官。1992年慶應義塾大学商学研究科教授。2001年国際金融情報センター理事長。2004年より現職。Photo by Masato Kato

―中国および新興市場国の失速をどうとらえているか。

 2007年末までは、いわゆるエコノミストといわれる人の90%は、中国をはじめとする新興国経済は米国経済とデカップリングが可能だと唱えていたが、2008年初めにはその主張も影を潜めた。今の新興国は全体的に通貨安、株安、債券安の状況にあり、非常に深刻な影響を被っている。これまで潤ってきた資源国も、資源価格の下落が打撃となっている。

 中国の場合、輸出減速の影響もさることながら、経済的リスクが社会的リスクに直結し、社会的リスクが高まると経済的リスクに跳ね返る、といった悪循環の懸念がある。成長率は急激にネガティブなカーブを描き始めた。

 先頃明らかになった4兆元の景気刺激策も、空港、道路整備といった公共事業に偏っている。日本が経験したように、雇用において若干の効果があり、機械、鉄鋼、セメント業界が潤ったとしても、それ以上のものではない。むしろ、教育や医療などの社会的インフラを整備し、人民のフラストレーションをなくすことによって、個人消費を刺激するほうが正しい処方箋ではないだろうか。

 新興国はおしなべて、先進国向けの輸出の減速と内在する国内問題とが相乗効果的にきいてきており、仮に日米欧が景気回復局面に向かった場合も、むしろ新興国の回復が遅れるのではないかと思っている。

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