昨年発生した東日本大震災やタイの大洪水、足もとまで続く深刻な円高といった負の要因により、今夏のボーナスはリーマンショック以来3年ぶりに減少し、過去3番目に大きい下げ幅を記録した。一方、そんな苦しい状況に追い討ちをかけるように、この先は増税、電気料金値上げ、穀物価格値上がりなどに端を発する家庭の負担が増え、支出はどんどん嵩んでいく。気づけば日本は、収入が増えずに負担ばかりが増していくという、実に不安な国になっている。あなたの家庭は大丈夫か。徐々に見えてきた「低収入高支出社会」の近未来図を、様々なデータや事例に基づいて検証しよう。(取材・文/岡 徳之、協力/プレスラボ)

今夏のボーナスに異常あり!
3年ぶり、過去3番目の減少に

 あなたはこの夏、ボーナスが増えただろうか、それとも減っただろうか――。

 懐具合は人それぞれだろうが、日本全体で見るとボーナスは減少している。経団連が5月31日に発表したところによると、この夏のボーナスは、大手企業80社平均で前年同期よりも2.54%少ない77万1040円となり、3年ぶりに減少した。この減少幅は、過去3番目の大きさだ。

 業種別で見ると、製造業が3.25%減の76万7268円で、鉄鋼、電機など13業種中10業種がマイナス。非製造業は0.16%減の78万3768円で、5業種中2業種がマイナスだった(参考:産経ニュース)。

 2011年夏には、製造業のボーナスが6.96%増の79万3030円、非製造業が2.45%減の78万5008円だったことを踏まえると、製造業が非常に苦しんでいることも、今季の特徴と言えるだろう。

 いわずもがな、ボーナスは通常、前年度の企業の業績に左右される。この夏のボーナスが低調ということは、つまり前年度の企業の業績も低調であったということだ。

 前回、夏のボーナスが減少したのは3年前の2009年。この年の夏のボーナスは前年同期比20.33%減の75万3348円と、調査を開始した1959年以来、最悪の減少率を記録した(参考:J-CASTニュース)。