スパイのスキルは「ビジネススキルの宝庫」だった!すばらしい実績を残したCIA諜報員におくられる賞を約10年の在職中に2度も受賞した著者が、訓練で身につけたそのスキルの中から、ビジネスでも使える実践的な技を教える『超一流の諜報員が教えるCIA式 極秘心理術』がついに発売。
 佐藤優氏「競争に勝つための表技と裏技が盛り込まれた、強いビジネスマンになるための必読書」と絶賛する同書より特別に一部公開します。

CIA諜報員のスゴ技「砂時計会話術」とはPhoto: Adobe Stock

すばやく情報を引き出す「砂時計会話術」

「砂時計会話術」とは、まずはごくふつうの世間話で会話を始め、それから少しずつ特定の話題へと絞り込んでいき、また世間話に戻す会話術だ。すると「ずいぶん詮索してくるな」と相手を警戒させずに、重大な情報をすばやく引きだすことができる。

 たとえば、会話の冒頭では相手の子どもについて尋ね、それから相手の仕事(あなたが望んでいる情報)へと話題を変える。それからまた休暇や好きな食べ物など、世間話に戻すのだ。

 人は会話の最初と最後の話題を覚えているものだ。しかし、どういうわけか、そのあいだの会話はあまり覚えていない。

 そこでスパイは、会話の真ん中あたりで、さぐりを入れる質問を投げかける。そしていっさい疑念をもたれずに、ターゲットから望みの情報を引きだすのだ。

 ビジネスの世界でこの手法を利用すれば、あなたの会社の製品に相手がどれほど関心をもっているか、相手が必要としているものはなにか、製品を買う気にさせているのはなにかをさぐれるだけでなく、ライバル社の製品を利用する可能性があるかどうかも判断できる。

 みなさんもこの手法を活用すれば、見込みがある客がどうかを判断できるようになる。少し練習を重ねれば、砂時計会話術を簡単に実行し、本当に客になってくれる相手を見わける際に時間や労力を節約できるようになるはずだ。