運動をはじめられないワケ

そうはいっても、「時間に余裕がない」「めんどうだ」という理由で運動をはじめない人はたくさんいるでしょう。そういう人は、「まとまった時間がないと運動ができない」と思い込んでいるのです。

世界保健機関(WHO)の「必要な運動量」についてのガイドラインによると、「ウォーキングなど、中強度の運動を週150分。またはランニングなど、激しい運動を週に75分」という基準を出しています。そして、「早足で歩く」というのも中強度の運動に含まれます。

つまり、1日約20分だけ早足で歩くことができれば、必要最低限の運動量を満たせるということです。実際に、アメリカ国立がん研究所の研究結果は、「週150分の早歩き」によって4年半も寿命を延ばせることを示しています。そう聞くと、グッとハードルが下がるのではないでしょうか。

スキマ時間を運動で埋める

わざわざジムに通ってハードな運動をしなくても、日々の生活で少しだけ気を遣うだけで、十分に運動の効果は得られます。

まとまった時間をとれない忙しいビジネスマンのために、スキマ時間で確実に効果が出る運動法を紹介しましょう。

1 早歩きで通勤する
2 早足で階段を上る
3 立ったついでにスクワットする
4 ランチは外に食べに行く
5 平日も家事をする

このように、ちょっとした工夫で「運動時間」を簡単に捻出することができます。また、1日10分しか運動ができなかったとしても、がっかりする必要はありません。

先ほどのガイドラインの「週150分」を満たしていなくても、1日10分の運動をしている人は死亡率が30%も減るという効果が実証されています。とにかく短くてもいいからはじめることが大事です。

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。

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