「宝物」はどこにある?

日々、私たちが生活している領域が、「コンフォートゾーン(快適領域)」です。いつも行く場所、いつも会う人、いつも食べるもの。それが、コンフォートゾーンです。

日々の生活が「楽しい」と思えないのなら、それは「今のコンフォートゾーン」の中に「楽しいこと」がないのです。「楽しいこと」はコンフォートゾーンの外にあります。コンフォートゾーンの外には、無限の世界が広がっていて、勇気を出して、外の世界に足を踏み出すことで、「宝物」(楽しい、幸せ)を発見できます。

「宝物」は、初めての場所、人、イベント、お店などに隠れています

もちろん、コンフォートゾーンから出ることは、「苦しいこと」「困難なこと」への挑戦でもあります。しかし、そこにはあなたの無限の可能性が秘められています。勇気を出して一歩を踏み出し、人生を楽しんでみましょう。

「ウィッシュリスト」を書いてみよう

先ほどのコンフォートゾーンは、外側からのアプローチでしたが、内側からのアプローチもあります。自分にとって何が楽しいのか、何をしたいのか、何を実現したいのか、何を手に入れたいのかを明らかにするのです。

そのためには、「ウィッシュリスト」がおすすめです。

ウィッシュリストは、1年ごとに振り返り、どこまで達成したかを評価し、そのアップデートをしましょう。

私の場合は、ウィッシュリストに書いた内容は1年で半分、2~3年で7~8割が実現しています。

「願望」「夢」「目標」を好きなだけ書いて、7~8割が実現するわけですから、書かないほうが損です

それでは、なぜ、ウィッシュリストは書くだけで実現するのでしょうか。それは、自分の「やりたいこと(Wish)」に対して、脳のアンテナが立つからです。

たとえば、「ハワイに行きたい」と書いたとしましょう。あなたの友達から「今年の夏休みはハワイに行きたい」と話が出たときに、「じゃあ一緒に行こう」と瞬時に反応することができます。もし、ウィッシュリストで願望が顕在化していないと、「いいね」だけで終わってしまいます

ウィッシュリストを書くことで、それに関する情報が目につくようになり、実現へのスピードがより速まるのです。

新年や年度初めなどに、年間の目標を立てる人は多いでしょう。そのときに、「遊びの年間目標」を書く人は少ないと思いますが、ぜひ書き入れてください。私の場合は、「年間120本の映画鑑賞」「1年のうち6週間を海外で過ごす」という遊びの年間目標を作っています

また、朝に今日1日の「ToDoリスト」を書く人であれば、そこにも「遊びのToDo」を書き込んでください。「19時半から映画『○○』を観る」というように書けば、「じゃあ19時頃には必ず仕事を終えていないといけないな」と緊迫感が生まれ、仕事がはかどり、遊ぶことができます。

「平日に映画なんて観られるわけがない」と先入観を持っている人は、いつまで経っても変わりません。

「遊びの目標」「遊びのToDoリスト」を書くことにより、「遊び」の機会が増えるだけでなく、仕事のパフォーマンスも高まります

ぜひ、人生を「楽しめる人」になってください。

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。

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