ダニエル・ピンクのロングセラー『フリーエージェント社会の到来』刊行から10年。いよいよ日本でもダニエル・ピンクの予言が現実化しつつあるようだ。
この夏、マーケティングの名門、ノースウェスタン大学ほか、全米トップスクール37校の教科書として採用されている『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』が刊行された。1975年の初版以来、40年近く読み継がれた最新第8版の名著邦訳版だ。
本書を、「混迷深まる時代、これからのビジネスに必要な共通言語ともいうべきマーケティングノウハウがぎっしり詰まった本」と評する神田昌典氏に、リアルなビジネスの最前線について、「フリーエージェント社会」をキーワードに語ってもらった。
誰もがビジネスのできる時代、フリーエージェント社会に、我々はどう立ち向かうべきなのだろうか。

神田昌典(かんだ・まさのり)
上智大学外国語学部卒。外務省経済局に勤務後、ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。その後、米国家電メーカー日本代表を経て、経営コンサルタントに。多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本一のマーケッター」に選出されている。著書に、『全脳思考』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『あなたの悩みが世界を救う!』『成功者の告白』『人生の旋律』『非常識な成功法則』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』等がある。

勝ち組が「2%」だけの厳しい時代になる!

  結論から申し上げます。
  いまやマーケティングは、すべてダイレクトマーケティングの時代になりました。

  したがって、そのリテラシーを持っているかいないかで、貧富の差が大きく拡がります。2013年以降、その傾向が顕著になってくるでしょう。
  だからこそ、ビジネスの最前線に立つ皆さんは、いま、一刻も早く、ダイレクトマーケティングの知識を身につけなければならないのです。

  これまで、勝ち組と負け組の比率は、2割対8割と言われていました。
  でも、これからは勝ち組が2%という時代を迎えます。
  2%の人たちはしっかり稼ぎ、残り98%の人々のために何ができるのかということを考えなければならない時代がやってくる。これは厳然とした事実となります。

  そして、この2%に入るためには、マーケティングリテラシーを身につけなければならない。特に、ダイレクトマーケティングという共通言語を持たなければ、ビジネスの成功もおぼつかなくなります。

  なぜか。それは、誰もがビジネスに参加できるインフラが整ってきたからです。そして、その根幹にあるのがインターネットです。