ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
山田厚史の「世界かわら版」

民主党は輿石氏支配
解散遠のき「衆参同日選挙」?

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第19回】 2012年9月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 主要国の首脳が軒並み代わる2012年、その末尾に日本の首相交代が加わるか注目されていたが、越年の公算が大きくなった。民主党幹事長に輿石東氏が再選され、野田佳彦首相(民主党代表)の口約束「早期解散」が棚上げされそうだ。衆参同日選挙という観測さえ広がっている。

谷垣氏の降板が
野田氏延命の伏線

 細野豪志原子力担当相が民主党代表選に出ていれば、野田首相は胸を張って国連総会に臨むことさえできなかっただろう。細野氏も直前までやる気を見せていた。一転して「不出馬」になった火元は、自民党にあった。

 谷垣禎一総裁が引きずり降ろされたことが、野田氏の延命につながったのである。実はこのことが「解散先送り」の伏線になっている。

 ちょっと分かりにくいがこういうことだ。民主党内部では野田氏が首相でいるかぎり、谷垣氏との間で交わした「早期解散」の約束に縛られる。野田代表のまま総選挙に臨めばボロ負けする。解散を先に延ばすには野田氏を首相から降ろすしかない。そんな思惑から細野擁立が起きた。

 解散先延ばしの筆頭が輿石幹事長だ。輿石氏周辺は細野氏を担いで野田降ろしを画策した。8月31日の夜、赤坂の土佐料理屋で輿石氏を囲む議員の集まりがあり、その場で高島良充元参議院幹事長が、細野氏に代表選に出るように口説いた。「細野なら選挙の顔になる」と擁立が広がり、野田氏を降ろして解散を先送りしたい、という議員心理が動きを加速した。

 2日後、局面は急転する。自民党で谷垣氏の後ろ盾のはずだった古賀誠元幹事長が谷垣氏不支持を表明する。元首相の森喜朗氏も「不支持」を表明。同じ日、総裁を支える幹事長の石原伸晃氏が「谷垣さんを支えてきたが、谷垣さんを支えるために政治をやって来たわけではない」と発言。「谷垣降ろし」の火の手が上がった。

 「近いうちに解散」という野田氏の言葉は、谷垣氏との約束だった。敢えて言えば谷垣氏が引きつづき自民党総裁に留まることを、側面支援する約束だった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


山田厚史の「世界かわら版」

元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

「山田厚史の「世界かわら版」」

⇒バックナンバー一覧