中学受験があたり前になった今、受験科目の中で一番気がかりなのは算数ではないでしょうか。「お父さん」に算数を教えていただきたい理由は、「お父さん」こそが、塾の先生や家庭教師よりも、最もお子さんにとって最適な教師となりえるからです。そのためにはまずお父さんが算数の楽しさをご理解いただき、それをお子さんに伝えていただくことが重要です。

当連載では、私(タケウチ)とお父さんのやりとりを通じて、中学受験でよく出てくる算数の問題をわかりやすく解説します。算数の中でも、受験問題でよく出てくる「周期算」「つるかめ算」「食塩水」「平面図形」「計算問題」の5つのジャンルから出題。1ジャンルあたり全3回にわたり、練習問題や過去問題を実際に解いていきたいと思います。

【例題】
 例題を解いてみよう!

タケウチ:さて、今回も例題を解いていきます。こうした例題を何度も解くことで、問題に慣れておくのはとても大切なことです。入試は問題との勝負であると同時に、時間との勝負でもあります。できるだけ速く計算をするために、頻出の『工夫の仕方』をしっかりと子供に覚えさせておくことが合格への秘訣です。

【例題4】

次の計算をして答えを求めてください。

『計算問題』編【STEP2】:複雑そうな問題でも、「工夫」すれば楽勝!

父:いかにも「工夫して計算」しろと言わんばかりの問題だね。とりあえず3グループに分けると、式(1)~式(3)のようになるね。

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式(1)3.14×15
式(2)3.14×6
式(3)3.14×4

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タケウチ:式(1)は 3.14が15個、式(2)は3.14が6個、式(3)は 3.14が4個という意味ですね。

父:そうかそうか。3.14で「くくり出して」あげるってことか。

タケウチ:そうですね。つまり式(4)で面倒な3.14(円周率)の計算がたった1回で終わります。

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式(4)3.14×25=78.5
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