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オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略
【最終回】 2012年11月1日
著者・コラム紹介
大島 誠 [日本オラクル エンタープライズソリューション統括本部 インダストリーソリューション本部 担当ディレクター]

オムニチャネル時代だからこそ
「楽しく買い物できる」リアル店舗が重要

目的買い顧客に衝動買いをさせる仕組みはこうしてつくる

オムニチャネルといえば「ネットとリアルの融合」や「O2O(オンラインtoオフライン)」といった言葉を思い出す方も多いかもしれない。そこで考えてみたいのが、ネット販売(EC)とリアル店舗(実店舗)との関係である。前者を拡大すると後者の売上が減るためECの拡大に二の足を踏む企業も多いようだが、果たしてそうなのだろうか。今回はこれまでのまとめとして、ネットとリアルの真の融合についてひも解いてみたい。

私たちは
どうして買うのか

 そもそもわれわれは、どうして物を買うのか。「買い物」「ショッピング」という行為が何かを考えてみたい。

 ショッピングは、「目的買い」と「衝動買い」に大きく分けられる。「目的買い」はどちらかというと予め購入する商品がわかっており、またその商品がどこで販売されているか、価格帯についてもおおよそわかっている。

 インターネット検索サイトでは、目的の商品名や型番を入力すると検索結果にその商品を扱っているサイトの情報が表示される。すでによく知られているが、小売業やECサイトは、検索結果がリストの上位に位置づけられるようなSEO対策を実施したり、販促費を払ってリスティング広告を出稿したりする。

 購買者は表示されたサイトに行き、当該商品のクチコミや価格を比較検討してから購入に至る。この場合、消費者は目的の商品をある程度わかっているので、「楽しく」買い物をするというよりは、「便利」「安い」といった基準で購入していく。つまり、この時のカスタマー・エキスペリエンス(CX)は、ショッピングに「わくわく感」がないのである。

 よって、「目的買い」顧客のためにオムニチャネルをいかに構成するかが大きな課題なのだ。いかに自社のサイト(あるいは実店舗)に来訪してもらうか。要は、顧客に訪問してもらえなければ買ってもらえないし、「衝動買い」も誘発できない。

 「衝動買い」はどうだろうか。「思わず買ってしまう」感覚は、「楽しさ」を醸し出すものである。

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大島 誠 [日本オラクル エンタープライズソリューション統括本部 インダストリーソリューション本部 担当ディレクター]

外資系IT企業にて小売業・流通業のソリューション・スペシャリストとして、多くの小売業の業種・業態のシステム導入、業務改革を支援。コンサルティング会社を設立して独立後、主にマーチャンダイジング(MD)の最適化に力を入れるとともに、日本のみならずグローバルの小売業の動向や、MDシステム等の小売業・流通業のIT動向を研究。最新のITコンセプトや事例には自らの経験を通じて真の可能性を追求し支持を集めている。日本オラクル入社後はオラクルの小売業担当スペシャリストとして、ITベンダーの立場で、小売業・流通業のIT革新支援に従事。

 


オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略

ウェブサイトやスマートフォンなどのデジタル分野と実店舗などのリアル分野、双方に無数の顧客接点を設け、これらを融合して究極の顧客満足を実現する「オムニチャネル」時代が間もなくやって来る。顧客一人ひとりの価値観を具現化する購買は買い手の感動となり、売り手へのロイヤリティ向上にもつながっていく。真のカスタマーエクスペリエンスとは何か。オムニチャネルマーケティングの第一人者である筆者が、その近未来像を描く。

「オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略」

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