2次試験を実施することの意味

後藤 これまでは2次試験(個別学力検査)で挽回しようという出願もあった。ところが、共通テストの点数がすべてになってしまうと、もう挽回できません。2021年度はそこで諦めがついて、他大学に出願したということです。もっと言うと、 数学のできるような受験生が横国大を敬遠する動きがあったと思います。

安田 第1回となる今回の共通テストは、前回のセンター試験と比べて平均点が上がりました。ちょっと色気を出して他大学を受けに行こうという受験生もいたと思います。

 もう一つ、その大学の2次試験の過去問をやらないと、志望する動機が強くならないと思います。中学入試でも過去問を数年分、一生懸命解いているうちに、自分でもなんとなく行けるのではないかと感じて、その学校を第一志望にしようと思うものですから。

後藤 宇都宮大や信州大(人文学部と経法学部)も同様ですよね。早めに受験生に知らせること自体は悪くない。結果的に、受験生に早いうちから「うちに来てはダメ」と言っているわけですから(笑)。今回の結果を見て、2022年度はこのようなことはしないと、横国大は早々に言っていますね。

安田 東京外国語大は、新型コロナ対策の一環として、前期試験の開始時間を英語の問題数と試験時間を減らし、午後からに繰り下げました。会場で受験生が一斉にランチを食べることによる感染リスクを回避する目的もあったようです。そうしたら、2020年度に比べて▲19.5%と大きく志願者を減らしてしまいました。

後藤 英語の問題数を減らしたからですね。2次試験で勝負する受験生にとってはいい迷惑です。つまり、救済対策の勘どころを完全に間違えた。

 今回、2次試験を中止あるいは実施内容に変更があった横浜国大、宇都宮大、信州大、そして東京外語大はいずれもかつての国立大二期校です。

 横国大の場合、かわいそうな面もあります。東日本大震災(2011年3月11日)は、3月12日から始まる後期試験の前日に起きました。このとき、東北大など多くはセンター試験の成績で合否を判断すると発表しました。

 ところが横国大は、2次試験の実施にこだわり、開始時間を遅らせると発表しています。後期試験での募集定員が多かったことも背景にはあります。

 結局、3月11日の夜11時くらいに試験の延期を発表しました。その後は計画停電などもあって電車が時間通りに動かなかったりした。後期試験を17日に本当に実施できるのか、という話になって、結局、センター試験で合否を決めました。そういう迷走した経験があったからこそ、今回はもしもの事態を考えて、早めに対応したのでしょうが、残念な結果ですね。

 神奈川の私立大学は大迷惑ですよ。横国大は志願者数が定員を超えたにもかかわらず合格者を絞って発表。結果、定員を埋められずに2次募集。無責任ですよ。しかもこの2次募集の合格発表は3月31日の合格発表の期限の直前でした。合格者を横国大に取られた私立大は慌てて追加合格を出しても定員確保が間に合わず定員割れですよ。私大にとって定員割れは死活問題です。4年間にわたって欠員を抱えるわけです。親方日の丸の横国大にはそうした緊張感がないのでしょうね。横国大には、この混乱と定員割れを招いたことを私立大学に深く謝ってもらいたいですね。