米欧日のコロナ「経済回復格差」、原因はワクチンだけではない主要国では予想より早く年後半は経済回復が本格化する見通し、とりわけ米国の急回復の背景には日欧との雇用調整の違いがある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

想定より早い経済回復
大きく違う米欧日の労働市場の動き

 世界経済は新型コロナウイルス感染の拡大を受けて2020年前半に大きく落ち込み、危機前のレベルを取り戻すのにはかなりの時間がかかるとみられていた。

 しかし、徹底した行動制限によって早期の感染抑制に成功した中国は別として、米欧日など先進国でも大規模な財政出動とワクチン接種開始により想定よりも早く経済の活動水準が回復する可能性が出てきた。

 金融市場関係者の問題意識もデフレリスクから、インフレリスクの評価に移りつつある。

 経済回復は、足元では米国先行、日欧がやや遅れる傾向はあるが、2021年央から年末にかけて危機前の水準を回復する方向に向かっている。

 興味深いのは、こうした経済の大変動に対して、労働市場の動きが米国と欧州・日本で、大きく異なっていることだ。