20万部のベストセラー待望のマンガ版『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』が発売された。前作で「転職は悪」という風潮に一石を投じ、日本人の働き方を変えた北野唯我氏が、今回は「自分にはキャリアの武器が何もない」と思っている主人公の奈美(もうすぐ30歳)の悩みに答えを出す。「やりたいことがなければダメ」「S級人材以外は有利な転職は無理」など転職の常識が次々と覆される。この連載では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

「頑張って働いても年収が横ばいの人」と「ラクして市場価値が上がる人」の差Photo: Adobe Stock

「伸びている業界で働いた経験」には価値がある

 今まさに伸びゆく業界で働いた経験を持っていると、マーケットバリューは高まります。たとえば、2010年からの5年間は、スマホゲームの売上が爆発的に伸びていた時期でした。そのため、この時期に、この産業で働いた経験というのは、それだけで貴重な「技術資産」になりました。

 なぜなら、多くの会社がスマホゲームビジネスへの参入を考え、どうにかして経験者を雇いたいと考える会社が山ほどあったからです。社長から号令が飛び、社内で新しい事業を立ち上げるような場合、同業他社で成功を経験している人を、喉から手が出るほどに「欲しい!」と思うのは当然です。

 その後も、AI(人工知能)を使ったビジネスの経験者、データマイニングやビッグデータ分析の実務経験者など、伸びゆく業界では、引く手あまたの求人がありました。

 けれども、伸びゆく業界がある一方で、ひたすら衰退している業界というのも存在します。

 そうした衰退産業では、これまで通りの熱量で仕事をしていたとしても、成果が上がりません。毎年、売上がジリジリと下がっていくのです。

 そして、そのような衰退しているビジネスに、新たな人材を雇ってまで参入しようとする会社はありません。ゆえに、ここで働いた経験では、自分のマーケットバリューを高められないのです。

 自分のいる業界が衰退業界であるかどうかは、同業他社の動向を見てみると、わかります。自社だけでなく、競合を含めた全体が利益を落としているのは、マーケットが縮小している証です。新たな市場を作り出すこともできず、飽和している市場の中でもがき、競合と値下げ合戦を繰り返して衰退していくのです。

 残念ながら、衰退している産業で働いた経験の価値は非常に低く、無効化してしまいます。

 今まさに伸びている業界に身を置くことは、究極的には、ただそれだけで価値があります。会社選びも大切ですが、自分のマーケットバリューを高めるためには、業界選びが重要なのです。

(※この記事は、『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』からの抜粋です。)