プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

「怠け者」だったのに、圧倒的な活動量で“日本一の営業マン”になった秘密とは?写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

「意志」だけに頼らず、
自分を動かす「強制力」をつくる

「やるかやらないか? 日本一に近づくのはどっちや?」

 僕は、常に、このように二者択一を自分に問いかけてきました。

 仕事も人生も、「やるかやらないか?」の選択の連続であり、その一瞬一瞬に、どういう選択をしていくかで、「結果」には雲泥の差がついていきます。

 そして、僕は「弱い人間」ですから、放っておけば「易きに流れる」ことをよく知っています。だから、あえて自分に二者択一を問いかけることで、自分が流されていく「歯止め」にしようとしていたのです。

「疲れたけど、もう一通メールを出すか出さないか?」
「お客様の提案書をもうひとつ作るか作らないか?」
「まだ眠いけど、起きるか起きないか?」
「明日は朝早いけど、酒を飲むか飲まないか?」

 こんなことを、これまで何千回、何万回と自問自答してきました。時には流されてしまいましたが、なんとか踏ん張ってやってくることができたのは、自分が弱いということを受け入れた上で、二者択一を自分に迫り続けてきたからだと思っています。

 ただ、このように「自分の意志」に頼るだけでは限界があります。

 仕事がうまくいかずに追い込まれているときは、「危機感」がエンジンになってくれますが、ちょっと仕事がうまく行っているときは特に危ない。「まぁ、今日はええやろ」などと自分を甘やかして、あっという間に“下降線”を描きがちです。「人間とは、ほんまに弱いもんや」と思わずにはいられません。

 そこで、僕は、できるだけ「意志」だけに頼らないように工夫をしました。「自分の意志」の弱さを自覚していたからこそ、自分に「よりよい行動」を強制させるような「仕組みづくり」を意識していたのです。

「怠け者」だったのに、圧倒的な活動量で“日本一の営業マン”になった秘密とは?金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
1979年大阪府出身。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍。大学卒業後、TBS入社。テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を設立した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。