お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

お金持ちが絶対に手放さない「金の卵」の正体Photo: Adobe Stock

お金持ちになる人は継続保有を金の卵と認識し、
お金持ちにならない人は目先のお金を優先させる

「オーナーシップを手放すのは、目先の利益のために将来の自由を手放すことだ」

目先のお金に目がくらんで、オーナーシップ(何かを所有すること)の権利を手放さないように気をつけましょう。これには、企業の株式や不動産、さらにはワインのコレクションなど、様々な資産が当てはまります。

オーナーシップを持ち続けていれば、将来的にそれが大きな利益をもたらす可能性が残ります。

銀行から十分な融資が受けられず、オーナーシップを手放すのと引き換えに誰かから出資を受けたことで失敗した例はいくらでもあります。私の身近な人も、会社の資金を増やすために知人2人にそれぞれ自社株の%を与えるのと引き換えに出資してもらいました。今では、この会社の年商は数百万ドル規模にまで成長しました。その結果、株式を持っていただけでこの会社の成長に何も関わっていなかった知人2人が、全体の半分もの恩恵を手にしているのです。

オーナーシップを手放すことに対しては、細心の注意が必要です。たとえば自社株の大部分を手放してしまうと、会社の経営について株主の承認や同意がないと何も決められなくなってしまいます。

目の前のお金に目がくらんでオーナーシップを手放してしまえば、将来、「わずかな額のために多くを手放してしまった」と後悔することになるかもしれません。

お金の格言
「自社株を手放す前には、後悔しないようにじっくり考える」

実践しよう

■代わりの資金源を探す
オーナーシップを手放すのは最後の手段です。その前に、次のような手段で資金を得る方法を探ってみましょう。

・金融機関から融資を得る
ただし、高金利の融資元には注意すること。できるだけ信頼できる金融機関から融資を受けよう。

・取引を通じてうまく資金調達する
インセンティブを提供するという条件で交渉すれば、取引先からの入金を早めてもらったり、こちらからの支払期間を長く設定してもらえたりする場合もある。こうした取引条件を活用して資金繰りをしよう。

住宅ローンの融資では、銀行などの融資元が住宅の抵当権を持つ場合があるので注意しましょう。銀行は当該の住宅を所有しているわけではありませんが、いざというときには差し押さえられる法的権利を持っています。金融機関からお金を借りることは、事業を成長させ・維持するための出資の見返りに会社の株式の一部を誰かに与えることとは大きく意味合いが異なります。オーナーシップを簡単に手放さない形の資金繰りを考えましょう。

■簡単にオーナーシップを手放さない
どうしても自社株を手放さなければならない場合は、その割合を最小限に抑えましょう。相手に、その株の価値に合意してもらうことを目指します。

株を譲ると将来的に事業へどんな影響が生じるかを熟考しましょう。新しい株主にあまり良い印象を持てず、一緒に仕事をするくらいなら交渉を取りやめたほうがマシだと思うかもしれません。極端な場合、廃業したほうが賢明な判断になるケースもあるでしょう。

■契約内容に、買い戻し条項を入れる
今後の株主契約書には、手放した株式を買い戻す権利を入れるように交渉してみましょう。株式価格の(将来的な)計算方法については、事前に合意形成しておきます。資金に余裕ができたら、株を買い戻しましょう。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。