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金融市場異論百出

中国は中成長でも地位揺るがず
自民党の急務は日中関係の改善

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年12月5日
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 習近平新体制になれば大型景気対策が打たれるのでは、という期待が剥がれ、上海株式市場は弱気相場に陥っている。

 新政権は経済政策の方針をまだ明確に示していない。第18回共産党大会で党指導層の体制は明らかになったが、商務部、財政部、中国人民銀行など経済政策を担う行政サイドの幹部は来年3月の全国人民代表大会で確定する。当面は2013年の経済運営が決定される経済工作会議が注目である。

 基本的には前政権の終盤の経済政策が引き継がれると予想される。来年の成長率目標は今年と同じ7.5%になる模様だ。11月に胡錦濤前総書記は、20年までにGDPを10年比で倍増すると述べた。一見派手な計画に感じられるが、それは13年以降、平均6%台後半の成長でいけば達成できる。7%台の成長がこれからあと数年続くならば、20年は5%台に落ちてもよいことになる。つまり、“GDP倍増計画”は実は中国が今後は中程度の成長にシフトしていくことを示唆している。

 『Gゼロ後の世界』でイアン・ブレマー氏が指摘しているように、インド、ブラジル、トルコなどは過去10年の成長の公式を今後10年も適用できるが、中国は政治リスクが高く危うさがある。中国の長期成長シナリオは、新興国の中では最もリスクが大きいが、ブレマー氏も、中国崩壊をメインシナリオにはしていない。

 OECDが11月に発表した長期経済予測においても、中国の成長率はトレンドとしての鈍化が予想されていた。それでも、中国のGDPが世界に占める割合(購買力平価ベース)は、60年は28%になるという。米国、日本、ユーロ圏の合計と同じ巨大さだ。

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