気鋭のクリエイター3人が示す
「日本をリデザインする」ための指針

 世界経済が減速し景気が失速する中での政権交代。シャープなど電機メーカーの経営危機が示す産業競争力の低下。日本の先行きが不透明感を増す中、日本は、企業は、個人は、どう動くべきなのか。各界の第一人者に13年のビジョンを提言してもらいました。

 特集の冒頭では、日本を代表する気鋭のクリエイター3人が、「日本をリデザインする」ための指針を示します。

 世界の第一線で活躍し続けるアーティストの村上隆氏は、日本の教育と組織のあり方への強い危機感を示しました。

「目まぐるしく舵を切らねば乗り切れない激動の時代、教育から変えていかない限り、日本は世界の中で競争力を失っていくばかりだという危機感を持っています」

「一般に流布している日本式、あるいは教科書的な組織論をいつまでも重んじていたのでは、世界から取り残されてしまう。“ほめて伸ばす”一辺倒の教育方法には、もはや一定の結果が出たと思っています。結局、ぼんやりとした人間しか生まなかったのです」

 村上氏と同じく、世界を舞台に活躍するデザイナーの佐藤オオキ氏は、日本のものづくりの課題と可能性を語りました。

「日本の顧客と話していると、『モノはいいんだけど』という相談がすごく多い。『いいモノを作っていれば売れる』という考え方です」

「日本のものづくりのポテンシャルは高いですが、ハイスペック過ぎても意味がない。デザインという“解決策”を導入する経営者が増えてくると、もっと魅力的な商品が生み出せると思います」

 広告やミュージシャンのアートワークなど、幅広い分野で活躍する森本千絵氏は、個人の意識の持ち方について触れています。