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基礎年金「全額税方式」の前に、厚生年金の見直しこそ不可欠だ

駒村康平・慶應義塾大学経済学部教授に聞く(後編)

週刊ダイヤモンド編集部
【第19回】 2008年3月14日
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後編では、既に基礎年金の「全額税方式」を導入している国での各国の年金制度と実際の制度運用の状況も、日本の年金制度を検討するうえで重要なポイントとは何かにスポットをあてる。年金制度の議論を重ねる上で、基礎年金の制度改革の前に、まずは今後の厚生年金制度のあり方こそ議論されることが望ましいと駒村康平・慶應義塾大学経済学部教授は語る。

駒村康平・慶應義塾大学経済学部教授
駒村康平・慶應義塾大学経済学部教授

――どうやって、全額税方式の新年金に移行していくかという問題もあります。

駒村:日経の研究会報告は「移行前に保険料を払っていた人には、支払期間に相当する受給権を旧制度に基づき確保」とし、麻生氏も「これまで支払った人の分はそれを記録し、それに応じた金額をプラスアルファ分として支給することで(公平性を)クリアすべき」としている。

 では、その上乗せぶんのお金をどこから持ってくるのか。そのお金がどこを叩いてもないから困っているのである。

 そもそも、基礎年金を社会保険方式から税方式に移行する際、消費税で賄うべき必要額は約19兆円とされているが、それは正しくない。よく勘違いされるけれども、19兆円というのは、今の基礎年金の平均値に受給者数をかけて出てきた金額。あくまで今の制度を維持するために必要な金額ということだ。

 満額支給の6万6000円を、65歳以上の人に無条件で払うとすると、実は23兆円くらいかかる。未納があって満額貰っていない人の分など、4兆円もギャップがある。スタートラインのところで問題がある。これに現在の保険方式によってまかなわれていた障害基礎年金、遺族基礎年金のための財源も必要である。アップする消費税は7%となる。

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