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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国で米国旅行の魅力を猛烈アピール
日本も新商品開発を怠れば米国に負ける

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第136回】 2012年12月27日
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 日中関係が大きく揺れているため、日本を訪れる中国人観光客が激減している。しかし、暦はそんなこととは関係なしにいつものスピードで進んでいる。中国では元旦と2月上旬に迎える春節(旧正月)といった大型連休が日に日に近づいてくる。年末ボーナスの支給額も話題になり、中国各地では連休を利用しての海外旅行に対する関心が高まっている。

 例年だと、身近にあり、雪景色の温泉もある日本も結構いい選択肢だったのに、今の日中間のムードでは日本行きを選んでいいのか躊躇する人が多いようだ。しかし、冬の中国だと、人気を集められる観光地が限られてしまうし、暖かい海南島は評判が悪いので敬遠される傾向にある。そうなると、目は自然と海外のほかの観光地に向かう。乾季で暖かいタイも魅力的な目的地として人気を集めている。

大型連休に焦点を当て
集中攻勢を仕掛ける米国

 その大型連休に焦点を当て集中攻勢を仕掛ける国もある。飛行機の移動時間が十数時間もあるアメリカだ。最近、タイに負けないほどその魅力をあの手この手でアピールしている。

 アメリカの中国語紙「世界日報」によれば、今年、元旦や春節をアメリカで過ごす中国人観光客向けツアーの内容は、一段とアメリカ色の強いものになっている、という。これまでのようにディズニーランドでの年越しといったことではもう満足できない観光客も少なくなく、旅行業者は航空母艦での年越しディナーや、クルージング、NBA(バスケットボール)観戦、パサデナでのローズパレードなどといった行程を増やして、観光客を引き付けようと考えている。

 今年の9月に、旧ソ連製の未完成の空母「ワリヤーグ」を購入して、国産の推進システムなどを取り付けるなどして改修した中国初の空母「遼寧号」が海軍に正式に就役し、艦載機の離発着テストも成功したばかりだ。それで否応なく中国国内では空前の空母ブームが巻き起こった。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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