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福井エドワードのINSIDEグリーン革命

排出権取引はサブプライムローンと一緒という笑っていられない冗談

福井エドワード
【第11回】 2009年9月17日
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 日曜日の朝の経済番組をみていたら、司会者が「排出権取引とサブプライムローンは一緒で、そんなものはインチキだ!」と、大真面目に民主党のスポークスパーソンに迫っていた。

 実は、筆者も商談の場で、ジョークとして、「カーボンオフセットとサブプライムローンって、どう違うんですか?」という話を聞いて、大笑いしたものだ。これだけ全く違う2つのものを、一緒にするところに面白さがある。ところが、冒頭のやりとりは大真面目で番組の視聴者や、政策形成の現場に、排出量の取引自体が「間違い」のような空気が醸成されるのでは、笑ってばかりも居られない。

 前回の連載で、2020年までに温暖化ガスを25%削減(1990年比)するという、民主党のマニフェストを取り上げた。文面だけ読むと、アメリカや中国の参加については、触れられていないが、当然の前提と読めるであろう。日本だけで数値目標を掲げても、大きな意味は無いのである。

 さらに、民主党マニフェストの各論を読むと、「1次エネルギーの供給量に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに10%程度の水準にまで引き上げる」とある。

 環境省が、本年2月に発表した『低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及方策について』でも、「2020年で現状の約2倍となる導入目標を掲げることが可能(年間一次エネルギー供給量の約10~11%【大規模水力を除くと約6~7%】、年間発電電力量の約16~18%【同9~10%】)」と提言されている。

 また、麻生前総理の、6月10日の総理大臣記者会見の中では、①エネルギー効率を33%改善にすること、また②新エネルギーについては、「水力発電などの再生可能エネルギーの導入量を(EU 方式を踏まえ、最終エネルギー消費に対する比率として、2020年ころまでに)世界最高水準の20%にまで引き上げる」と言及されている。

 これらは、数字の定義の仕方もまちまちであり、また、11年先のことでもあり、いまのところ試算モデルである。政府部門からの数値目標の提言を通じて、今後、様々なプレイヤーからのインプットが期待されるところであろう。

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福井エドワード

ブラジル・サンパウロ生まれ。幼少を米国シアトルで過ごす。東京大学法学部卒。イェール大学 MBA。建設省(現・国土交通省)、米大手VCのアクセルパートナーズ(サンフランシスコ)、みずほ証券投資銀行グループ等を経て、2004年からプライベートエクイティ投資コンサルティング会社ルビーインベストメントリサーチ。国内外の人脈を生かし、環境・エネルギー分野で精力的な活動を展開している。1月に発足した低炭素経営研究会の幹事も務める。現在参加企業を募集中。
◎同研究会に関するお問い合わせはこちら


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オバマ政権の“グリーンニューディール”で、世界の環境ビジネスは飛躍のチャンスを得た。環境技術大国の日本がこの機を逃す手はない。環境投資の最前線で活躍する筆者が、商機の在りかを探る。

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