感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />他人への「嫉妬心」に苦しまないたった1つの方法

他人との比較でもう苦しまない

きょうのひとことは、
「他人を嫉妬することに意味はない」

自分より先に昇進した職場の同僚や自分より幸せそうな知人に、嫉妬心を抱くことってありますよね?

自分と他人を比較して、妬み(ねたみ)や嫉み(そねみ)に苦しむというのは、よくある話。人間にとって永遠のテーマのひとつといっても過言ではありません。

しかし、嫉妬というのは、すべて「勘違い」なんです。

というのも、大前提として、自分と他人の人生は、そもそも出発点も終着点も違います。生きる土俵がまったく違うのです。

人生というのは自分にひとつだけのものなので、そもそも他人と比べる意味がありません。これが嫉妬心に苦しまないためのカギとなる、本質的なポイントです。

そうはいっても、自分と同じ職場だったり、同じグループだったり、似たような属性の他人と比べてしまうクセのある人は多いです。

これが勘違いのもとで、自分と似ているように見えても、本質的にはまったく別モノなのです。他人の人生を生きられるわけじゃないのですから、そもそも嫉妬する意味がありません。

他人への嫉妬心で苦しむなんて、まったくナンセンスなことなのです。まずは、このことを押さえておきましょう。

ところが、そんな理屈を並べても、嫉妬心がなくなるかというと、そう簡単ではないですよね。他人への嫉妬心は、ふとしたときに芽生えるものです。

そうだとしても、大前提として他人への嫉妬は勘違いだと思っておけば、少しはブレーキがかかります。そこからはじめてみることです。

では、その次の段階として、どうやって嫉妬心とつき合うか?「嫉妬心をポジティブに転換する」という発想を持ってみることです。

自分と他人を比べて苦しむために嫉妬心を使うのではなく、嫉妬心を抱く他人をモデル(目標)にしてみるのです。

自分と似た属性の人が、自分のやりたいこと、自分が目指していることを実現していると、その人に嫉妬心が芽生えます。

逆に考えてみると、自分とはまったく異なる属性の人が大成功したとしても、嫉妬する人はほとんどいないでしょう。

たとえば、アメリカの電気自動車(EV)大手テスラのCEOを務めるイーロン・マスクさんが、資産27兆円を誇る“世界一の大富豪”になったからといって、嫉妬心を抱くでしょうか?

「27兆円か、すごいなー」「27兆円のうち1億円でもくれないかな?」なんてことが頭をよぎることはあっても、嫉妬心を抱く人は、まずいないと思います。それは、イーロン・マスクさんと自分の属性が、まったく違うからです。

同期入社の同僚が先に昇進すると嫉妬心が芽生えるように、自分と同じような属性の人が、自分より成功していると思うと、そこに嫉妬心が芽生えるわけです。

そういう嫉妬心をネガティブな感情のまま苦しむのではなく、次の自分の目標にすることでポジティブな感情に転換してみましょう。ま最初は難しいかもしれませんが、そういう発想を持つことが大事です。

すると、ほどよい距離感で嫉妬心とつき合えるようになってきます。

他人に嫉妬していることを、次の自分の目標に置き換える。そして、もう気にしない。

気にしないというのは、なかなか難しいことなんですけれども、少なくとも以前よりは気にしなくなるでしょう。

実は嫉妬している相手が自分に嫉妬しているなんてことも、よくあることです。

他人へ嫉妬心を抱いて、そのことに心が奪われてしまうと、どんどん視野が狭くなってしまって苦しくなってしまいます。

そうならないように、もっと広い視野で自分の嫉妬を眺めて、自分の目標に置き換えて、あとは気にしない方向に進む。

大前提として、自分の人生と他人の人生とは、土俵が違うということを忘れないでください。

自分の人生は一度しかないし、自分にしか歩めません。だから、自分と他人を比較して嫉妬する意味が、そもそもないのです。

きょうのひとことは、
「他人を嫉妬することに意味はない」
でした。

参考になったかしら?