他人とうまくコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、自己肯定感の欠如、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の中から心がスッと軽くなるアドバイスをお届けします。

多くの人が知らない、褒め上手になるための決定的なポイントとは?Photo: Adobe Stock

相手を「適度に褒める」ことは、
とても難易度の高い行為

 人間関係をよくするためには、「褒め上手」にならなければいけないとよく言われます。

 特に上司と部下のコミュニケーションだと、褒めて伸ばすことは重要な要素だと、いろんなビジネス書にも書いてあります。

 しかし、褒めることが苦手な人は少なくありません。

 一体、何を褒めたらいいのだろう? と固まってしまう人が、結構いますよね。

 それでも無理やり褒めなければ! と失敗する人もかなり多いです。

 たとえば、上司から部下に「今日は、なんかかわいいね」なんて、いきなりセクハラ発言をして気持ち悪がられるとか、部下だったら、「課長、今日も朝早くから来て、熱心で偉いですね」なんて上から発言のような褒め方をして、「お前がもっと早く来いよ」と怒られたり。

 真剣な話をしている最中に「あ、君、まつ毛長いね」と褒めたつもりで、相手がどう反応していいかわからない空気をつくってしまったり…。

 本では、簡単に「部下のよいところを褒めましょう!」と言いますが、「適度に褒める」ということは、大変難易度の高い行為です。

 そんなに難しいことなのに、なぜその辺のビジネス書は簡単に「褒めろ」と言っているのでしょうか。