経営破綻リスクが高まる互助会
規制強化で迫る2015年問題

 京都府に住むAさんの父親は長年にわたり、大手互助会の契約者として毎月数千円のカネを払い続けてきた。その額は合計40万円以上。さらに「年利7%相当の割り増しサービスも付く」と言われていた。

 将来の葬儀代はすべて賄えるものと安心していた。

 そして昨年末にAさんの父親が亡くなった。葬儀後、大手互助会から送られてきた請求書を見て、Aさんはあぜんとする。葬儀代の不足額が70万円というのだ。

 だが、請求内容を見ると、互助会契約者の特典として、勝手に葬儀の祭壇をランクアップするなど、不明朗な点が多い。葬儀の混乱からようやく冷静さを取り戻したAさんは、だまされたとの思いから怒りが込み上げてきた。

 全国の互助会数は1986年3月末の415社をピークに、2012年3月末で292社にまで減少している。

 一方で、業界の規模は年々拡大している。契約者が積立金として払い込んだ前受金の総額は約2兆3000億円で、契約者数は実に約2400万人に上っている。

 それに伴い、互助会に関する消費者トラブルも増加している。国民生活センターによれば、互助会に関わる苦情・相談の件数は、02年度に2844件だったが、11年度には3767件と3割増加。今年度はさらに件数が増えている。

 トラブルになるのは大きく3つのケースだ。

 1つ目は契約時である。特に代理店方式で契約を獲得する互助会の一部では、代理店が加入手数料を得るために強引な勧誘を行うケースが少なくない。

 保険代理店などと異なり、厳しい販売員資格を求められないため、「葬儀事情に詳しくない人や、中には詐欺まがいの営業を行う人もいる」(業界関係者)という。