興味を持ったらやってみる、
その先にある「自分だけのキャリア」

 ところで、日本での診療に追われるうちに、東南アジアでの活動への気持ちが途切れることはなかったのだろうか。

「僕のやりたいことは国際協力活動で、そのために必要な手段が耳鼻科のスキルだったんです。だから、一度も気持ちは途切れなかったですね。確固たる目標がなく、なんとなく勉強を始めてしまうと、途中で迷うことがあるかもしれない。でも、僕はミャンマーでの2年間でずっと悩み続けていたので、『鼻の手術で日本一になる』と決めてからは、ブレずに意志を貫けたのだと思います」

「やりたいこと」が見つからない人がやるべき“たった一つのこと”カンボジアとミャンマーからの留学生たちと。外国人留学生が来ると毎回必ず神社へお参りに行く(左から3番目が大村さん)

 自身のキャリアについて迷いに迷った2年間。それは「必要な時間だった」と振り返る。それに、「何でもやってみる方が面白い」と大村さんは言う。

「たとえばキャリアで迷ったときに、実際にやってみなければ、面白いのか、自分には合わないのか分からないですよね。だから、興味を持ったら、何でもやってみる方がいい。よく『役職に就くのを迷っている』『管理業務になったらどうしよう』と相談されますが、それもやってみなければ分かりません。やってみて、面白くなかったら戻ればいいんです」

 興味を持ったらとにかくやってみる。面白そうだと思ったらすぐに行動する。そうやって自分だけのキャリアを切り拓いてきた大村さん。

 たとえ迷ったとしても、行動し続けることで、見えてくるものがある。自分が本当にやりたいことは何か、どんなキャリアを目指せばよいのか、分からないときには、まずは何でもいいから「面白そう」だと思うことをやってみるといいのかもしれない。行動することで、必ず見えてくるものがある。大村さんの経験は、そう教えてくれている。(つづく)