日本銀行日銀の6月の国債購入額は5月の約2.3倍の16.2兆円と、2016年4月の約11兆円を上回り過去最大という異常な額になった Photo:PIXTA

6月の日銀国債購入額は過去最大
金利抑制で市場は異常な状況に

 内外金利差の拡大による円安や物価上昇が進む今、日本銀行と海外ファンドの間で、長期金利を巡って死闘が繰り広げられている。

 日銀は金利抑制の姿勢を崩していないが、いずれ政策修正に追い込まれるだろうとみた海外のヘッジファンドなどが、国債先物を売り、6月17日の日銀政策決定会合直前には、長期金利が日銀が許容する上限の0.25%を超え、0.265%まで上昇した。

 また7年債利回りが10年債利回りを超えるという異常な状況になった。

 これを押さえるために日銀が大量の国債を購入したため、流動性が大幅に低下。さらに、金利の現先裁定が成立しないという国債の正常な取引に支障が生じるほどの事態になった。

 こうした対応の結果、日銀の6月の国債購入額は5月の約2.3倍の16.2兆円と、2016年4月の約11兆円を上回り過去最大という異常な額になった。