午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCの石井亮次アナウンサー。威圧感ゼロなのに場の空気をしっかりつかみ、共演者からも視聴者からも信頼と好感度を寄せられるその神トーク術が、今、話題となっている。本連載では、「話し方の極意」を初めて明かした著書『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』から、コミュ下手でもすぐに使える会話の心構えとテクニックをお伝えする。

初対面の仕事相手と<br />ぐっとお近づきになれる<br />万能の質問とは?Photo: Adobe Stock

意外に難しいビジネスの場での雑談

 ビジネスの場で、初対面の方と雑談をするというのは意外に難しいものです。プライベートな関係じゃないから、あまり個人的なことを尋ねるわけにもいきませんし、かといって、あたりさわりなさすぎることばかり聞いていても、お近づきにはなかなかなれない。

 そんな時に、ちょうどいい、万能の質問がこれです!

「今の○○のお仕事、ひとすじですか?」

 この質問のすごいところは、そこはかとなく「リスペクト」が込められているところです。「今のお仕事でずいぶんご活躍されていますけど、やっぱりキャリアを長く積み上げていらしたからなんでしょうね?」というふうに相手に伝わります(たぶん)。

 実際に「ひとすじ」でやってきた人は「そうなんです」と受けてくださるでしょうし、今の仕事が本意じゃない人や、紆余曲折があって今の仕事だという人の場合も「いやいや、実はね……」と嬉々としてご自身のこれまでのキャリアについて話し始めることができます。

若い人が相手の場合に使える質問は?

 ただ、この質問が使えるのはある程度の年齢以上です。せめて30代以降くらいでしょうか。じゃあ、それより若い人たちの場合はどうするか。これは簡単です。

「どうしてこの仕事にめぐりあったんですか?」

 この質問にも「あなたにピッタリに思えるいい仕事に出会えてすごくラッキーですよね、素晴らしいなあ……」という気持ちが隠れています。

 もちろん、どちらの質問についても、もしも相手が言いにくそうにしている場合は深追いしてはいけません。過去の自分を語りたくないという人は一定数はいらっしゃいますので、そういう場合は「今の仕事」について教えてもらいましょう。

 とにかく、みんな、自分の仕事について語るのが好きです。あの村上春樹さんでさえ「職業としての小説家」というタイトルの本の中で、作家デビューからの軌跡、小説家としてどう歩んできたのかを語っておられます。

 仕事自体が好きじゃない場合は、仕事の悪口でも苦労話でもいいんです。悩みがあるなら聞いてあげましょう。仕事についての話題は、老若男女共通の「しゃべりやすい」テーマです。

*本記事は、「ゴゴスマ石井の なぜか得する話し方」から抜粋・編集したものです。