円の購買力は“適正レート”の約半分?それでも円の「先物売り」は多いままPhoto:PIXTA

円は3月から約16%減価
FRBは利上げ、日銀は緩和維持で

 米連邦準備制度理事会(FRB)は7月27日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.75%引き上げた。事前の予測通りだったので、ドル円レートにはあまり大きな変動は見られなかった。このところは円高ドル安方向に進み3日は1ドル=133円台後半での取引だ。

 改めてこの数年間のドル円レートを振り返ってみると、2018年から20年までは1ドル=105~110円程度で安定的だった為替レートが、今年の3月以降、急激に減価した。

 3月初めには1ドル115円だったものが、現在の約137円へと約16%減価した。それだけ輸入物価を引き上げたことになる。

 インフレ急伸に対応するためにFRBが急速に金利を引上げたのに対して、日本銀行は金利上昇を認めなかったからだ。

 ヘッジファンドなどの投機筋は「円安がさらに続く」と見ている一方で、アメリカの景気減速を予想し円安加速は落ち着くという見方もある。

 ドル円レートの“真実”はどのあたりにあるのか。