開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「子どもを勉強嫌いにさせる親」1つの共通点Photo by Adobe Stock

わが子を勉強嫌いにさせないために、親ができること

 バランス型よりもデコボコ型の多いひとりっ子は、得意教科もあるけれど、苦手教科も目立ちます。

 苦手教科については、親は「応援してあげる」という緩やかなスタンスでいるといいでしょう。無理に克服させようとしてもできないし、子どもは苦しくなってしまいます。

 もちろん、ある程度はやらせないわけにはいきません。それでも、得意教科を頑張っているときに苦手教科についてあれこれ指摘するのはやめておきましょう。

「算数は得意なんだから、もういいでしょう。それより、そんな時間があったら社会やらなきゃダメじゃない」

 せっかく好きな算数をやっていたのに、それは取り上げられて、嫌いな社会を与えられた子どもは、勉強すること自体が嫌になってしまうでしょう。

「苦手克服の強要」が、子どものポテンシャルを下げる

 そもそも、「苦手」の捉え方を変える必要がありそうです。

 子どもの能力が100あったときに、苦手には20しか回していないから得意が80にも達しているとも言えるのです。

 80という突出した能力は、これからの時代、大学でも企業でも求められるものです。

 しかし、苦手について克服させようとすれば、確かに苦手は40まで伸びるかもしれないけれど、今度は得意が60になってしまう可能性があります。それは、子どもにとって幸せではないし、おそらく社会にとっても幸せではありません。

 一番いいのは、得意教科は高いまま、苦手教科を向上させることですが、そのためには勉強好きでいてくれることが必須です。

 苦手教科は目標を下げて、達成感を満たしてあげてください。苦手の克服を強要して、子どものポテンシャルを下げないようにしましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)