仕事で毎日使うのに、誰も教えてくれない「メールの文章術」。返信・アポ取り・仕事の催促・お詫び・感謝など、言葉選びに迷うシーンは多々あります。そこで、本稿では累計10万部突破のベストセラー『気のきいた短いメールが書ける本』より一部を抜粋・編集して、好感度が高い人が「頼みごとをするとき」に意識している言葉づかいを紹介します。

好かれる人と、嫌われる人。「頼みごとをするときの態度」に表れる決定的な差Photo:Adobe Stock

好かれる人は、言葉の使い分けが上手い

 小さなお願いごとから大きな仕事の依頼まで、規模や相手によって、ていねいさを変えて書き分ける必要があります。

【最短メール
お世話になっております。
定例会の議事録ですが、今月は20日までにお願いできれば助かります。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 こちら側から発注している定期的な仕事は、このように簡略なメールですませます。余計なことが書いていないということは、「いつもの通りでいいですよ」というわかりやすいメッセージ。

【嫌われる人の表現、好かれる人の表現
×9月14日が空いていたらお願いします。
9月14日に予定しておりますが、ご都合はいかがでしょうか

 日程が先に決まっている場合でも、「空いていたら」というのは失礼な表現です。

【仕事の依頼で便利な言葉づかい
制作期間、予算などについて希望もあり、
一度、ご相談をさせていただきたいのですが、いかがでしょうか。

 スケジュールや予算によっては依頼が破談になることもありうる場合、このように「お願いしたいが、条件があるので、まずは相談」と、段階を踏んで依頼を進めます

「頼みごとをするとき」役立つ表現は?

 ワンパターンな文言ばかりではなく、さまざまな場面に応じて表現を使い分けられるようになりましょう。以下、代表的な例を挙げます。

委員就任をご依頼申し上げます

→「お願いいたします」よりも少し改まった表現

ご承諾いただけましたら誠に幸甚に存じます

→かしこまった書き方。「幸甚」は「幸い」でもよい

よろしければ次回もご協力いただけないかと思っております。

相手の自由意思に任せるお願いのしかた。

先日ご相談いたしました件につき、
正式にご依頼申し上げたく、メールを差し上げます

→企画段階で「まだ決定ではないのですが」という形で相手に伝えておき、仕事の発生が決定した段階で、このように正式依頼をするとスムーズ。

たいへん勝手ではございますが、
今月20日までにお送りいただきたくお願い申し上げます。

→仕事の期限などを書き添えるときの常套句。文末を「お送りいただけますと助かります」とすると、1回のメール文中で「お願い」という言葉をつかう回数が減らせます。

報告書の原稿を添付いたしますので、
お目通しいただければと存じます

→「目通し」とは、最初から最後までひととおり見るという意味ですが、ビジネスではある程度長い文書を読んで確認する場合につかわれます。

(本稿は、気のきいた短いメールが書ける本』より一部を抜粋・編集しました)