【精神科医が教える】
少し勇気はいるけれど、嫌われない…疲れる相手に、やんわりとダメ出しする“必殺フレーズ”

不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』（ダイヤモンド社）だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる！

言いたいことが言えない人

言いたいことがあるんだけど、言えないことってありますよね？「ヘンに思われるんじゃないか」「嫌われるんじゃないか」と思って、言うのをためらってしまう…。

具体的にはどういう状況を想像しているかっていうと、相手にちょっと問題があって、「こんなところが不愉快だから改善してほしい」と思っているんだけれど、それを言ってしまうと険悪になるかもしれない。だから、言うのをためらってしまうという状況です。

こういうときは、結論からすると、言ったほうがいいんです。そもそも、そういうことを考えている時点で、相手に対するストレスがたまっているわけです。継続的な関係性があるのに、それを伝えないとストレスはたまる一方です。

相手をダメ出しするときのコツ

たとえ言わなかったとしても、アナタが相手のことを否定的に思っていることは、よほど鈍感な相手でなければ、いずれなんとなく伝わるでしょう。そうすると、率直に言わないぶん、雰囲気が悪くなり、なんとなく関係性がギクシャクしがちです。より悪いほうに解釈されたり、一緒にいても居心地が悪いなんてことになるなら、言ったほうがマシです。

ただし、言い方にはちょっとしたコツがあります。相手に伝えるときには、「I（アイ）メッセージ」にすることです。Iメッセージというのは、「～してくれると（私は）うれしい」「～されると（私は）つらい、傷つく」というふうに、「私」を主語にして自分の気持ちを伝える話し方です。

一方、「YOUメッセージ」「WEメッセージ」というのがあります。これは「あなたはなぜ～しないのか」「あなたは～すべき」と相手を主語にしたり、「私たちが不快なのは、あなたが～ないせいだ」と他の人を含めた「私たち」を主語にしたりして、相手を責めたり決めつけたり、要求したりする攻撃的な話し方です。この伝え方は避けるべきなんですね。

“自分の気持ち”を伝えるようにする

あくまで2人の関係性の問題なのですから、Iメッセージによって、あくまで自分の気持ちを伝えるようにするんです。そうすると、相手は素直に耳を傾けやすくなりますし、自分の行動を振り返りやすくなります。なんか申しわけない気分になったりして、「ごめんね、気をつけるね」みたいな展開になりやすいんです。

もちろん、それでもダメなときはあるでしょう。そういう人とは、そもそもうまくいかないから、根本から関係性を見直したほうがいいかもしれません。

いずれにしても、違和感が生じた時点で、なるべく早い段階で、相手がムッとしないIメッセージのやわらかい言い方で、気持ちを伝えるようにするのがいいでしょう。それがアナタへの信頼感にもつながりますからね。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』（ダイヤモンド社）の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。