開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

小学生の勉強、予習と復習はどちらが大事?Photo: Adobe Stock

小学生にとって予習は時間の無駄

 生産性が高く効率のいい学習をしたいなら、予習は不要です。そんな時間があったら復習に回しましょう。

 復習は、教えられたことをしっかり覚えていくための学習です。あるいは、授業でよくわからなかったことを理解するためにも重要です。

 この復習をしなければ、次の授業はさらに難しくなってしまうので、親は子どもの復習を手伝ってあげながら、「わが子はどこまで理解しているか」を把握しましょう。

 一方で、予習というのは、まだ教えてもらっていない未知の分野について、予測しながら考えていかねばなりません。それは小学生には難しく、しかも予測は往々にして間違います。時間が無駄なばかりか、かえってマイナスになりかねません。

 復習の精度を上げることが、成績向上につながる唯一の道です。

子どもの得意と苦手を正確に把握する

 ただし、予習より復習が大事だとはいっても、すべての教科について同じように復習する必要はありません。

 たとえば、掛け算でつまずいたなら、できるまで徹底して復習しなければなりません。一方で、作文を復習するのはほとんど意味がありません。

 また、個人差も考えねばなりません。子どもにはそれぞれ、復習をしたら伸びる分野と伸びない分野があります。

 地頭、精神年齢、性格……などによって違いが出ますから、まんべんなく5科目をやらせようとせず、苦手な科目は捨て、得意な科目を伸ばせばいいのです。

 ただ、成長途上にある子どもの場合、その分野はコロコロ変わります。得意な算数がぐんと伸びる時期もあれば、苦手だった国語の点数が良くなったりします。それを親がしっかり見極め、そのときになにを伸ばしてやれるかを検討しましょう。

 中学受験を考えるなら、親は点数獲得の戦略を練る参謀となってあげてください

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)