米失業率は最低水準、労働需給のひっ迫はFRBの意図通りに和らいでいるのか米FRBは利上げで労働需給のひっ迫を緩和しインフレ抑制を目指しているが、昨年12月雇用統計を見る限り労働市場の実相は複雑で、米経済軟着陸には不透明感が漂う(写真はイメージです) Photo:PIXTA

12月米雇用統計で見える実相
米経済軟着陸シナリオは不透明

 2023年の米国経済のテーマの一つは、連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが目的通りに労働市場のひっ迫を和らげ、インフレ抑制に成功し経済を軟着陸させることができるかどうか、だ。

 1月6日に発表された22年12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から22.3万人(年率)で増えた。

 過去の景気拡大局面では、平均して月間では20万人強のペースで雇用が増えていることからいえば、昨年末の労働市場はまだ堅調だ。

 その一方でこの間、賃金の伸びは前月比0.3%増加へと伸びが鈍化した。

 だが就業者数は増えたものの人々が経済の行方に前向きな見方を持っているというわけではなさそうだし、企業のレイオフ件数は増えている。

 また賃金の伸びの鈍化も、必ずしも労働需給のひっ迫が緩和されたからだということではない。

 労働市場は明暗が入り混じった状態であり、コロナ禍でのリモートワークの普及という新たな要素も加わって視界は一段と見えにくい。

 FRBの軟着陸シナリオの行方も不透明と言わざるを得ない。