東京・神奈川「中学受験」人気校の最新状況【2023年男子受験生編】2023年東京・神奈川入試最大の話題校となった「芝国際」(東京・港区)

1月の埼玉・千葉入試がおおむね終了し、2月1日から始まる東京・神奈川の一般入試が近づいてきた。昨年に続き史上最大級の受験生が参加する首都圏について、中堅・中位校を中心に、12月実施の四模試の志望者数増減を元に見ていきたい。今回は男子受験生を取り上げる。(ダイヤモンド社教育情報)

リニューアル校と新設入試の状況

 2月1日から東京・神奈川の一般入試が始まる。今回は、男子受験生について人気がある入試を取り上げたい。ネット出願が基本となり、多くの学校は入試前日もしくは当日集合時間の前まで出願を受け付ける傾向にある。そのため、1月23日時点で把握した出願者数を参考値として挙げた。まずは、2023年に共学化・校名変更でリニューアルする女子校から見ていこう。

 昨年11月に新校舎が完成したばかりの芝国際の前身は、創立から120年の東京女子学園である。22年に5回実施した女子校として最後の入試の志願者数合計は73人だった。23年からは「未来に貢献する学び」としてSTEAM・ブログラミング教育、起業教育、プレゼンテーション講座の三つを掲げ、この他にも国際化教育や面倒見の良さを前面に打ち出している。国際生とは別途に、一般生はI類とII類に分けた上で、2科・4科・算数1科・適性検査型と、多彩な区分で募集している。
 
 1月21日現在、2月1日午前の志願者数合計は381人(男子183人・女子198人)、1日午後は同519人(男子271人・女子248人)、2日午後は同501人(男子257人・女子244人)、3日午後は同527人(男子269人・女子258人)、5日午後は同455人(男子230人・女子225人)の計2383人と絶好調である。22年までの広尾学園小石川とまではいかないものの、近年これだけ人気が爆発した学校も珍しい。
 
 北区赤羽にある姉妹校が一足先にリニューアルした目黒星美学園は、サレジアン国際学園世田谷として23年入試に臨む。こちらは問題解決型の学びであるPBLを全教科で実施、本科コース(募集人員60人)の他にインターナショナルクラス(同30人)を設置するほか、約4年間にわたって自ら設定した研究課題に取り組むゼミ授業という3本を改革の柱に据えている。

 1日は第1回を午前と午後に実施、2日午後には特待生の第2回、3日午後の第3回には思考力を問う21世紀型と自由選択2科(4科から自由に2科を選ぶ)、4日は第4回入試を設定している。23日現在、計606人(男子219人・女子387人)となっている。前年の目黒星美学園としての最後の志願者数合計は131人だったことを考えると、大躍進といっていいだろう。

 次に、23年に新たに設けられた入試を見ておこう。まず、1日午後に例年1000人以上の出願があった東京都市大学付属の第1回が、1日午前に移った。1日午後としては最後となる22年には1242人(I類541人・II類701人)が出願している。第2回(2科)は2日から1日午後に、第3回は4日から3日に、第4回は6日から5日に、グローバル入試は2日から3日にそれぞれ移行した。

 1日午前の第1回は、少数精鋭、第一志望中心の落ち着いた状況となっている。1月21日現在での出願者数は、第1回286人、第2回1059人、第3回552人、第4回715人、グローバル44人の合計2656人となっている。22年2月入試の出願者数合計は3686人だったので、すでに前年比7割強に達している。

 26年度から明治大学の系列校となり、共学化して校名も「明治大学付属世田谷」に変更する予定の日本学園は、23年入試の台風の目といっていい。獨協には及ばないとはいえ、早くも中堅の人気校となった。その影響もあってか、同じ男子校の明治大学付属中野は志願者がやや減少気味となっている。

 29年度から推薦入試による明大への進学は約200人(卒業生の7割)以上となる教育体制の構築を目指す。まだ男子だけの募集である23年度に入学すれば、この恩恵にあずかることができるわけだ。22年は志願者数合計が323人で、1日は第1回と適性検査、1日午後は第2回、3日は第3回、5日は第4回と「創発学」の入試がそれぞれ設定されていた。

 3回の入試による23年の募集人員は120人である。1月23日現在、1日第1回は269人、4日第2回は114人、5日第3回は66人が出願している。2科または4科のいずれも午前入試と、前年よりシンプルな設定に変わった。第3回は、22年には3日午前、20年と21年には3日午後に実施された。