【最新の認知症治療を実践する脳のカリスマが30年超の長寿研究から導いた幸せな生き方】かつて100歳ブームを巻き起こした『100歳までボケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング』の著者で医学博士・白澤卓二が、人生100年時代が現実になった今をよく生きる方法をまとめた『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』が完成。現在の脳のパフォーマンスを上げて、将来寝たきりや認知症にならずに長寿を目指し、人間の限界寿命とされる120歳まで生きる方法を提示します。

【認知症研究30年超の私が毎日飲んでいる】おいしくて脳のストレスを軽減する人気の飲料とは?Photo: Adobe Stock

緑茶の成分を余すことなく摂取する、白澤式スーパー緑茶の作り方

 私は日中クリニックにいるときは、緑茶を飲んでいます。もともとはペットボトルのお茶を飲んでいました。

 あるとき夏目漱石が『草枕』でお茶について書いていたことを思い出し、最近はそれにならってゆっくりと、自分で玉露を淹れて飲んでいます。玉露を飲むと、脳の空間が広がるというか、覚醒するというか、とにかく脳にいい刺激が広がる感覚があります。抽象的ですが、私の素直な体感です。

 玉露やかぶせ茶など日光をさえぎって育てたお茶には、テアニンという成分が豊富です。テアニンには、脳を保護する作用や神経伝達物質への影響、短期ストレスを軽くする働きなどが報告されています。漱石の時代には、お茶の成分が脳にいい作用をするなどとは知られていませんでしたが、漱石は感覚的にわかっていたのだと思います。

 一方、ペットボトルのお茶では、カテキンがとれます。カテキンは煎茶や番茶に豊富で、抗酸化作用や細菌やウイルスの増殖を抑える、虫歯や口臭を予防するなどのうれしい働きがあります。

 カテキンとテアニンの両方を一度にとれたらいいのですが、どうしても無理があります。というのも、カテキンが抽出されるのは90℃と高温なのに対し、テアニンが抽出される温度は70℃以下なのです。

お茶のペットボトルに玉露をイン!

 そこで私はカテキンとテアニンを同時にとれる方法はないかと考えて、いい方法を思いつきました。

「緑茶のペットボトルの中に、玉露の茶葉を入れればカテキンもテアニンもとれるじゃないか!」と。

 市販のペットボトルのお茶は高温抽出なので、カテキンが含まれています。玉露は水出しでも抽出されるので、玉露の茶葉をティーバッグ用の不織布の袋に入れてペットボトルに投入すれば、カテキン&テアニンが同時にとれる一挙両得なお茶になるわけです。ぜひお試しください。

本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長・医学博士・医師 白澤卓二
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。