冷え、だるさ、むくみ、疲れ、肩コリ、腰痛、便秘、不眠といったなんとなくの不調。『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは「整体施術のプロの技法」を自分におこなえる人気メソッド。今回も、「老けこまない体」をテーマに話をうかがった。(構成/依田則子、写真/榊智朗、石井真由美)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家

老けこんできたら今すぐ「ほぐすべき場所」とは?整体プロおすすめ若返り法

「冷たくて硬い体」は老化のはじまり?

――先日のインタビューでは、「冷たくて硬い体」を放置すると、まだ若い方でも「気」や「血液」が滞りやすく老けこんでしまいがち、とうかがいました。

矢上真理恵(以下「矢上」):そうですね。東洋医学の視点から見ると、美と健康の条件は「あったかくて柔らかい体」であり、それが「自力整体」が目指すゴールです。

「冷たくて硬い体」は美や健康を失うだけではなく、不調や病のはじまりです。病名がよくわからない不定愁訴などの原因をつくりやすいので、日ごろから関節を動かして血行不良を改善し体温を上げておくことは大切です。

――ところで自分自身が「冷たくて硬い体」かどうか確認できるいい方法はありますか?

矢上:『すごい自力整体』でも紹介した「開脚座」(座った状態でおこなう開脚のこと/*次の画像参照)をおこなうと、体の硬さを自覚しやすいです。

「冷たくて硬い体」の方のほとんどは「開脚座」をおこなうと背中が丸まってしまい、骨盤をうまく起こす(立てる)ことができません

 これは股関節や内股、大腰筋などの筋肉が縮んでいる傾向です。骨盤を起こすことができないほど、関節や筋肉がカチカチに硬いということですね。

 骨盤まわりの血行も悪いため、女性の場合、生理、出産、妊娠、出産後、更年期の不調が出やすいので、柔らかくほぐしておくと体はラクになりますよ。

老けこんできたら今すぐ「ほぐすべき場所」とは?整体プロおすすめ若返り法

「自力整体」をおこない、背骨に正常な前後のS字湾曲ができれば(*次の画像参照)、開脚座もスムーズにできるようになります

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――股関節や内股、大腰筋までしっかりほぐすためには、とくにどんな「自力整体」がおすすめでしょうか?

矢上:「股関節と内股の筋肉をほぐすワーク」がおすすめです。

――ぜひやり方を教えてください。

老けこんできたら今すぐ「ほぐすべき場所」とは?整体プロおすすめ若返り法矢上真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗