人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、リーダーシップの世界的権威で、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。優れたリーダーになるための「21の原則」を明かした本書より、「管理職にしたら絶対NGな人」を見抜く“たった1つの方法”を解説する。(構成/根本隼)

「管理職にしたら絶対NGな人」を見抜く“たった1つの方法”

リーダーに向いているのは「自分よりも他人を優先できる人」

 リーダーが奉仕の精神を持っているかどうかは、一目でわかる。実際、最高のリーダーは自分の利益を追求するよりも人々に奉仕することを欲している

 奉仕の精神の第一の証しは、自分や自分の欲求よりも他人を優先する能力である。それは自分の問題をすすんで後回しにするという以上のことである。他人の必要性に応じ、すすんで他人を助け、他人の欲求を重要なものとして受け入れることができるという意味だ。

管理職にしたらNGな人=「利他性」がない

 精神的に安定していなければ、奉仕の精神を発揮することは不可能である。他人に奉仕する気になれないほど尊大な人は、精神的に不安定な人だ。われわれが他人にどう接するかは、われわれが自分のことをどう思っているかの表れでもある。

 強制されれば、ほとんど誰でも奉仕をする。また、危機に直面してはじめて奉仕するという人もいる。それに対し、自らすすんで人びとに奉仕する人もいる。偉大なリーダーは奉仕の必要性を感じ、機会を逃さず、見返りはまったく期待せずに人びとに奉仕する。

「部下から慕われるリーダー」になるための第一歩

 あなたは人びとに奉仕するとき、どういう気持ちからそうしているだろうか。特典や役得を期待してリーダーになりたいからだろうか。あるいは、人びとを助けたいという純粋な動機からだろうか。

 人びとから「この人についていきたい」と慕われるようなリーダーになりたいのなら、奉仕の精神をまず身につけなければならない。奉仕するより奉仕されたいという気持ちだと、いずれ困った事態に陥るかもしれない。

 心の持ち方に問題があるなら、次のアドバイスを参考にしよう。

●威張り散らすのをやめて、相手の声に耳を傾けよう
●小心のために役割を演じるのをやめて、他人のためにリスクをとろう
●自分のことばかり考えずに、他人に奉仕しよう

 偉大な業績をあげる人は、全員に奉仕する。これは真理である。

(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)