開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。VAMOS代表の富永雄輔氏は、最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』で、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」を提唱し、圧倒的な支持を集めている。本稿では、富永氏が登壇したオンラインセミナー(2022年10月開催)で、参加者から出た質問への回答を紹介する。

自ら進んで勉強する子に育てるために親ができる1つのことPhoto: Adobe Stock

Q. 子どもに、もっと自分から勉強するようになってほしい

質問者:小学生の子どもを持つ保護者

――うちの子どもは、家で自分から机に向かうことが全くありません。自ら勉強したり、自ら読書するようになってほしいのですが、どうしたらいいですか?

勉強だと思わせずに、学習習慣を取り入れる

富永雄輔(以下、富永):低学年のうちはなるべく勉強だと思わせずに、勉強を習慣づけてしまうことが重要です。

 洗顔、朝ごはん、歯磨き、トイレ、計算、漢字。

 こんなふうに、1日のルーティンの中に、勉強を入れてしまいましょう。

 5分でも10分でもいいので、ぜひ試してみてください。

小学校高学年の子どもが、ゼロから勉強習慣を身につけるには?

富永:小学校高学年になってから勉強の習慣を身につけるのは、低学年より苦労しますが、「勉強を子ども一人の戦いにさせない」ことが重要です。

 朝でも夕方でもいいので、1日のどこかに「家庭での勉強時間」を決めます。

 その時間は、お父さんもお母さんも、テレビを切ってスマホを置いて、子どもと同じように何かに集中してください。

「やってるフリ」でもいいので、お父さんとお母さんも机に向かって勉強するというのでもOKです。

 お父さんがダイエット中であれば、エアロバイクをこいで、汗をかくというのでもいいです。

 お子さんが勉強に向かっている間は、親御さんも何か大変なことに向き合っている姿を見せてあげてください。

本を読む姿を子どもに見せていますか?

 これは読書も一緒です。「うちの子どもは本を読まないんです」と相談を受けることがよくあります。

 私がそういった親御さんに「お子さんの前で、親が本を読む姿を見せていますか?」と尋ねると、「一度もありません」と言われるんです。

 もし、お子さんに読書習慣を身につけさせたいと思ったら、1日10分でもいいので、家族全員が他のことをせずに本を読むだけの時間を作ってみるのが効果的だと思います。