開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

わが子の思考力を伸ばす「家でできる簡単な1つの習慣」Photo: Adobe Stock

表やグラフから思考力を働かせる出題が増えている

 中学受験では、教科問わずに「思考力」を必要とする問題が増えています。

 理科では、未知の素材の表やグラフの読み取り問題がその典型です。

 たとえば、日本で地震が起きた場所や頻度、世界の都市の気温の変化などが表やグラフで表されており、それを見て「どういう推測ができるか」「どんなことが考えられるか」を問うような問題です。

「関東地方で同じ週に3回地震がありました」「ダッカやバグダッドなど、どこも都市部で気温が上がっています」という、見ればわかることを答えればいいのではありません。

 今後の予測される推移や、根本的な原因などについて考えることが求められるのです。

親子で一緒に図やグラフを眺める習慣をつけましょう

 こうした問題では、公式や暗記知識を使うことができません。

 その場で表やグラフを読み取って考えることになるため、幼い子どもたちにはハードルが高いですが、ちょっとした考え方のコツのようなものさえつかめれば、いい解答ができるようになります。

 逆に、公式も暗記知識もいらないので、これまで理科が苦手だった子どもでも得意になるチャンスとも言えます。

 ただ、そのコツを得るには、いくつもの表やグラフを見て、そこから読み取れることを繰り返し学んでいく必要があります。

 つまり、普段から親子で一緒にいろいろな表やグラフを見て、会話を交わす習慣が大事なのです。

 簡単なグラフから練習してみてください。理科に苦手意識がある子どもは、未知のものに手が出ませんから、簡単なものから徐々に範囲を広げていきましょう。

 その点、親が多くの時間を割いてあげられるひとりっ子は有利です。

 読んでいた新聞や雑誌に表やグラフが載っていたら、捨てずに活用してください。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)